切れない包丁が良く切れる?
切れないから切れない包丁ですよね?
それが良く切れる?
意味がわかりませんよね。
包丁は、使い方によっては研がなくても良く切れちゃうんです。
もちろん上手に研いだ包丁は材料に置いただけで吸い込まれるように入っていきます。
調理人のように正しい使い方をすると研いでいない包丁であってもきれいに切れます。
1995年ごろですが店頭で宣伝販売している包丁を買ったことがありました。
家で実際に使ってみると全然切れない包丁でした。
「は? 詐欺?」
でも、これは売り場で実際に抜群の切れ味だったそのものなんです。
結論から言うと「私がだまされて購入した。」ことになりそうですが、その場での実演技術はすばらしく本当によく切れているように実演されていました。
今なら、それがどうしてかが、はっきりとわかっています。
普通の人とは切り方が全然違うかったんです。
普通の人(素人)の切り方
普通の人は垂直切りと言われる切り方で、刃先が途中で垂直に落ちるように動きます。
トントンとまな板とぶつかる音がしますよね。
イラストにすると下のようかイメージです。
プロの料理人の切り方
斜め切りと言われる切り方で刃先が斜めの直線を描くように動きます。
切っていてもあまり音が聞こえないのが特徴。
イラストにすると下のようかイメージです。
包丁の刃先を顕微鏡で拡大
「スパーン」ととがっているイメージがありますがそうではありません。
まるでノコギリの刃のように「ギザギザ」になっているんです。
ノコギリをまっすぐ落としても切れませんよね?
包丁も同じです。
ですから、包丁の正しい使い方は材料に対してスライドさせながら切ることだったんです。
そんなこと言われてもスライドしながら切るって難しそう。
出来る出来ないは別としてコツを書いてみます。
包丁をスライドさせて切る3つのポイント
1.手首を動かすのではなく肘を動かすことを意識する。
2.まな板と体は拳1つ分ぐらい開けておく。
3.包丁を持つ手と同じ側の足を1歩ひいて、まな板に対して斜め45度に構える。
硬い材料を切るときは、つい垂直切りになりそうですが垂直切りをすると食材の細胞が壊れて食感が悪くなります。
ピーマンは10%苦味がアップすると言われています。
たまねぎの苦味も40%アップするようです。
たまねぎは斜め切りをすると細胞が壊れないため涙がでないメリットもあります。
正しい切り方をマスターすることが出来れば良いことが多そうなので少しだけでも意識するほうが良さそうです。
トマトとねぎの切り方
斜め切りで押しながら切るときれいに切れます。
刺身や鶏肉の切り方
斜め切りで、引きながら切るときれいに切れます。
斜め切りをすると一度に切れないことがありますが、包丁を元の位置に戻してから同じように繰り返します。
鶏肉とか切れないからってドスンドスンとたたき切っていませんか?
かぼちゃの切り方
てこの原理を利用すれば、かぼちゃだって力がなくても切れちゃいます。
まず、図のようにヘタと反対側の中心部をくり抜きます。
このときは果物ナイフがよいでしょう。
裏側の穴に刃先を差し込んで突き立てます。
包丁の柄の部分をしっかり握って下に回しながら切ります。(てこの原理)
どうでも良い話ですが、かぼちゃは英語で「squash」
パンプキン「pumpkin」ではないので気を付けてください。
パンプキンは、ハロウィンに使うオレンジ色のかぼちゃのことです。
ケーキの切り方
いままで紹介した斜め切りとは全然違います。
まったく違うので掲載を迷いましたが、番外編ということで掲載します。
準備として、包丁を45度のお湯に30秒つけて暖めます。
その代わり、ケーキはしっかりと冷やしておきます。
包丁は、ケーキの直径よりも刃が長いものが理想。
手順としては、まず垂直切りで、真っ直ぐ下に降ろしながら切ります。
刃が、スポンジにあたれば水平にスライドしながら切ります。
スポンジでないところは、垂直切りで降ろします。