思い出

心が折れた瞬間 二輪整備編

心が折れた瞬間 二輪整備編

静かな足音

愛車のスーパーカブが25000kmを超えた辺りから、なんとなく調子が悪くなっているのを感じていました。
気が付いたころは2017年6月の下旬あたり。
「よぉっし~点検してメンテナンスしよっと!」
と思うも雨が続き延期に続く延期…。
とは言え、あまりにも足回りが不調だったのでチェーンを調整したりオイル交換したりと、最低限の整備しかせず、さらに放置…。
信頼性の高いスーパーカブなら多少の無理はしてくれる… はず。
それはただの願望であって、なんの根拠もないわけです。
8月5日いよいよ本格的な夏が到来したころですが再びオイル交換とチェーン調整をしました。
チェーン調整なんて、そんなに頻繁にするものじゃありませんし、普段は簡単に出来るのに今回はどうもしっくりこず調整に手間取りました。
何かがおかしい?
スーパーカブは普段、全てチェーンカバーで覆われているので調整する時に小窓がある程度でなにも見えません。
このおかげでチェーンが雨に当たらず泥にも当たらないので汚れることも少なく寿命が長い秘訣でもあるのです。
そう思いチェーンカバーを外してみました。
「ひぃー!ちょ…ちょっと待ってよ!」
見てはいけないものを見てしまいました。
ドリブンスプロケ(後ろの歯車)がピンピンになり、先っちょなんてお辞儀していました。

なるほど不調の大きな原因も把握出来ました。
それも1年で一番暑い時期に。
最悪。
もはや見て見ぬ振りできる状態ではありませんでした。
一刻を争う事態です。
暑いなんて言っていられません!
ただ、ドリブンスプロケまでアクセスするのであれば!と思っていると欲が出てしまってついでと言いながらタイヤやブレーキなども交換することにしました。
本当はベアリングまで交換しようと思っていましたが気温と相談した結果やめました。
この整備をするのに熱中症の実験まで行っていて、死にそうになっていたわけですが、整備が完了してからは新しいってこんなにも快適だったなんてって思うぐらい快適になりました。
いやー整備するのは面倒ですが、こんなにも快適になったのなら、それも報われるものです。
このスーパーカブに乗る前にもスーパーカブを乗っていましたが、同じように整備した後、快調に走っているところを事故に遭いました。
同じことにならないように快調になってガンガン飛ばしたくなる気持ちをグッっとこらえて安全走行することにします。

近づく足音

ほぼ熱中症になりながらスーパーカブの整備を終えて、その日の夜は完全にダウン。
熱中症のブログ記事を書き、それ以上なにもする気力が出なかったので吉本新喜劇のDVDを観ながらくつろいでいました。
そんな私をあざ笑うかのように次の事件が発生しました。

王子の帰還

やけにニコニコして私に話しかけてきます。
「自転車がパンクしたから直してくれへん?」
私にとって自転車のパンク修理なんて朝飯前です
熱中症の疲れが残っていましたが自転車のパンク修理なんて簡単だし、このままだと困るだろうと思ったので身体にムチ打って、立ち上がりました。
さっそく自転車をみると、クギがガッツリ刺さっています。
釘を抜きタイヤを半分はずしてリムからチューブを引き抜きます。
タイヤからチューブを取り出した瞬間。
立ちくらみがしました。
チューブが破れすぎなんです。もう修復なんて不可能なレベルで破れています。
これ、パンクしてそのまま乗っています。
あの時の王子のかわいい笑顔の理由が分かりました。
突き刺さった釘が中で暴れてチューブをズタズタに傷つけた状態。
こうなったらチューブ交換しかありません。でもチューブ交換は後輪を外す必要がありますので結構しんどい。
自転車屋じゃあるまいしチューブの在庫なんて持ってません。
すでに夜だったのでホームセンターも閉まっています。
※ほんとは、ここで作業を終了しておくべきでした。

そういえば倉庫にチューブの中古を置いているのを思い出しました。
半年前に自転車のタイヤを交換したときにチューブは問題なかったけど交換したもの。
まさか再び中古のチューブを付けるなんて思っていませんでしたが一応取って置いたのが幸いでした。

必要工具

10mm・15mmのメガネレンチ
プラスドライバー
15mmはとてもマイナーなサイズですので所有率が低いと思います。
モンキーを使用すると余計に費用が高くなるばかりか大きな労力も必要になりますので、ここは絶対に15mmのメガネレンチを用意してください。
スパナも、モンキーレンチと同じですので絶対にやめてください。

あれば便利な工具

ラジオペンチ
ラチェットレンチ ソケット10mm
・ブレーキワイヤーを固定しているネジを緩めて、ワイヤーを抜きます。
・ブレーキとフレームが固定されているので、固定金具を外します。
この時、固定金具は完全には取外さず、仮固定してそこに置いておく方が作業が楽です。
・ミッションを2(真ん中)にする。
・ミッションワイヤーのカバーを外します。
・ミッションワイヤーを外します。
・チェーンを調整する(引っ張る)金具のネジをギリギリまで緩めます。
この金具がブラーンとぶら下がれば良いです。
・チェーンをスプロケから外します。
・最後に、15mmのメガネレンチで後輪のタイヤを固定しているナットを緩めます。
強いトルクが必要ですのでスパナやモンキーは避けてください。
・自転車を逆さまにします。
サイクルスタンドがあれはいいのですが無いことが多いですから自転車を逆さにすればいいです。
・緩めたネジを完全に取り外しスタンドや泥よけなども共締めしているので同時に外します。
・これでチェーンを交わしながら抜けば後輪タイヤが完全に取れます。
戻すときは同じ要領でもどすのですが、ブレーキやミッションワイヤーの調整などしながら取付していきます。

すぐ近くで止まる足音

やっとの思いで中古のチューブを取付けて、いざ空気を入れてみると全く空気が入りません。
「あれ?」
バルブを確認しましたが正常です。
「えっ?パンク?」
再び、チューブを取り出してみました。
取り出したチューブをよく見て見ると小さな亀裂を見つけました。
まぁこれくらいなら修理出来ると思い修理しました。
疲労も精神状態もピークを迎えそうになりましたが踏ん張ります!
他にも、穴がないか念のため確認してみると・・・
信じられないくらい大きな亀裂を発見しました!
なんといいますか、その瞬間私の中で何かが音を立てて崩れていく音が聞こえました。
私は固まってしまい私のバックにはエンドロールが流れています。

私の心は叫ぶ:「これが映画だったら、もうここで終了してほしい、どんなエンディングだって俺は受け入れるから」
実際の私は、立ちくらみ状態で戦意喪失。
結構頑張りましたが、完全に振り出しに戻っています。
人生ゲームでいえば「スタートにもどる」です。一番腹が立つあれです。
普段の私は何度くじけても再び立ち上がるのですが、熱中症の疲労があったからか今回はここで心が折れました。
すっと聞こえていた足音はこれを意味していたのでした。
部屋に戻って王子に言います。

瀧 :「ごめん、自転車修理でけへんかったわ」

王子:「あぁ別にいいよ明日から4連休やから」

瀧 :「あっ、そう・・・って」

おぃ!
心で叫ぶ:「先にそれを言えよ!」
その情報を先に欲しかった。
なにも、わざわざ夜に作業する必要なんてありませんでした。
なによりも中古じゃなくて新品を購入できます。

続く足音

時間があるのでチューブはネットで注文しました。
今は凄く便利ですね、翌日には届きました。
続けて2回目の作業となると手際が良いです。
なによりも疲労が回復しています。
機嫌よく自転車のチューブ交換を終えました。
私は腰が痛かったので次はバイクで病院に行きます。
平坦な直進走行、私の住んでいるところは田舎ではありませんが、田んぼや畑が辺り一面に広がるようなところです。
夜になるとカエルの鳴き声でテレビの音が聞こえない時もあります。
最近では涼しくなってきたのでカエルではなくコウロギの音がやかましい勢いで鳴り響いています。
まさに騒音被害。
もしかすると一般的にこれは田舎と言うのかもしれません。
店など何もなく、ひたすら田んぼ道を走行していると周りにバイクや車がいる気配がなかったのに、急に暴走族のような音がすぐ近くから聞こえるようになりました。
なんの前触れもなく突然のことだったので、私はとてもびっくりしました。
キョロキョロ見渡しても自分以外誰もいません。
「はい?」
よく見ると、その爆音はわたしのスーパーカブからでした。
ちょ…ちょっと、なっなんで!?
確認すると、マフラーのエキゾート部がばっさり割れて離れていました!
一体何がどうなったら何の前触れもなくマフラーが折れるのか!
カエルやコウロギに騒音被害と言いましたが、そんなレベルではない。
バイクを止めて、どうしよっかなぁーって考えていたらセミが一斉に鳴きはじめました。
私は「もぉーー、うるさーぃ!」と叫びましたが、セミに言わせると「うるさいのはおまえのほうじゃ!」と思っているのかもしれません。
私は医者に行くことを断念し、そのまま爆音を出しながら自宅に戻っていく。
やっと、本当のエンドロールが始まりました。

エンドロールも終わり、最後の場面で走る私のバイクをズームアウトすると…バイクの背後には白と黒のツートンカラーの車が急加速して私に近づいている様子が映し出されていました。
さて私は、いったいこの後どうなったのでしょうか?



そのままパトカーに変な顔で見られるも追い越されてスルーされました。
田舎ってすばらしい!
あっ、自分で田舎って言っちゃった。
でも、やっぱり悲劇には続きがありました。

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