思い出

恋心は検便と共に消え去る

恋心は検便と共に消え去る

 

 

 

 

 

 

私は諸事情があって、地元の学校へ通えない時期がありました。

 

ひょんな事から、遠い親戚宅で一時期お世話になっていました。

さすがに何もせずボーっとすごしていたらあほになると心配した親戚のおばあちゃんが近くの小学校に通えるように手続きをしてくれたのです。

本来通うべき小学校があるにも関わらず、なぜか別の小学校に通うと言う奇妙な転校生になっていました。

経験しないとわかりませんが、転校というのは不安で心細いものです。

(ほとんど居ない)友人たちと離れて一人で知らない土地にいく私にとって、天川村という未知の土地でした。

 

しかも、それまで住んでいる場所も田舎でしたが、そこはもっともっと田舎でした。

 

信じられないと思いますが、水道がなかったのを覚えています。

 

私は社会の教科書に載っていた様々な地方の写真を思い出していましたが、その風景は江戸時代の風景からなんら変わってなかったのです。

 

ここの小学校ではみな裸足で、靴下を履いていったら馬鹿にされるのではないだろうか、とビクビクしていました。
また、言葉も独特で、なにかが違っていました。

 

幼い頃よく理解できていませんでしたが、なぜこんなに言葉が通じないのかと不思議でした。

つまりそれは、強烈な方言ということでした。

 

発音もおかしかったし、語尾に”ちゃ”がつくことが衝撃的でした。

でも実際は、みな靴下を履いていたし、運動靴も履いていました。

 

とにかく、私は新しい小学校で新学期を迎えた。

以前の小学校以上にクラスに馴染むことができていて、隣の席はクラスで一番かわいい中村さんだったので、小学生なりにちょっとトキめいたりしながら、私は新しい土地と生活に慣れていった。

 

しばらくすると朝のホームルームの時間に、”検便”のお知らせがありました。

“検便”は時代によって容器が変わると言うけれど兵庫県の小学校ではプラスチックの容器が配られて、そこにう○こを入れて提出ことになっていました。

 

こんなやつです。(参考写真)

 

ここでは検便の容器が配られることもないまま、やがて検便提出日の前日となった。

帰り際のホームルームでは、担任の先生が「明日は検便の日だから絶対持ってくるのを忘れるなよ!」と念を押している。

 

それはわかってはいるけど、ホームルームが終わっても検便の容器が配られる気配がない。

 

「あれっ? 先生は検便容器を配るのを忘れているのかな?」と心配になった私は、隣の席の小西くんに聞いてみた。

 

「あんなー、まだ検便の容器は配られてないやんなー?」

 

すると彼は怪訝そうな顔で答えた。


「おめぇ、マッチ箱は自分で用意するに決まってるっちゃ!」

 

えっ? マッチ箱? 検便を?

 

そんなわけないやろうが! からかいやがって!と心の中で叫び、疑問が怒りに変わった私でしたが、彼はどうも本気の様子でした。

 

それに横で聞いていた別のクラスメイトも当然の顔をしてうなずいている。

 

マッチ箱で検便って、うそー! 私は心の中で叫んだ。

 

帰宅した私はバアちゃんに、検便はマッチ箱で持って行くからマッチ箱がほしいと話した。

バアちゃんは、マッチ箱を探し始めたが、どうも見当たらないみたいでした。

いくら探しても家の中にマッチ箱が見つからない。

 

既に夜になっていて田舎は店が閉まるのが早いので開いている店もない。

というか、夜になるまでバアちゃんに検便のこと言うのうっかり忘れていた。

 

このままでは”検便忘れ”ということで明日はさらし者です。

 

まだクラスでポジションが定まっていない転校生の立場は微妙なだけにこれはつらい。

 

必死でマッチ箱の捜索を続けていると、「これでいいんじゃない?」というバアちゃんの声にホっとした私の目に映ったマッチ箱は、バアちゃんが商店街でもらってきた徳用のマッチ箱だった。

 

それは並のマッチ箱の12箱分の大きさでした。

薄型マッチ箱なら24箱分です。

クラスの大半の検便がまかなえるほどの大ささです。

でも、そんなにウ○コをまかなう必要はない。

私の分だけでいいのです。

 

 

 

 

 

 

私は、いきなり人生の岐路に立たされてしまった。

”検便忘れ”という汚名をかぶって、別の日に一人だけウ○コの入ったマッチ箱をもっていって笑い者になるか、それとも徳用マッチ箱で検便を運んで笑い者になるかのどちらかの2択です。

 

結局、私は後者を選びました。

 

だってマッチ箱なんていろんな大きさがあるし、適当な大きさのマッチ箱が見つからないのは自分だけではないはずだと私は考えた。

 

 

 

そこで、徳用マッチ箱に少しけウ○コを入れて提出することにしました。

 

翌朝、担任の机の上のビニール袋にマッチ箱が入れられていく。

なんだかお楽しみ会のプレゼント交換みたいな光景だけど、プレゼントの中身はウ○コです。

 

でも、集まっていくマッチ箱は、どれも小さいサイズのものばかりです。

私は身体で徳用マッチ箱を庇うように隠しながら、ビニール袋に入れました。

 

徳用マッチ箱はやはり異様だった。

まるでネズミたちの間に迷い込んだネコのように巨大さが異彩を放っている。

そして、それは箱いっぱいにウンコが詰まっているようにも見えた。

 

小学生は意外に目ざとくて、クラスメイトがそれを見つけて囃し立てると、たちまちクラス中に笑いの波が広がっていった。


オレのお徳用マッチ箱がさらし者になっている。

 

恥ずかしい。

 

そんな笑いの最中、一人の女生徒が席を立った。

 

憧れの中村さんです。

彼女は私が笑い者になっていることに耐えられなかったのでしょう。

 

「オレって、実は好かれていたのか?」と、恥ずかしながらもちょっぴり嬉しい。

 

 

次の瞬間、隣に座っている小西くんが私に言いました。

 

「おめぇ、中村んちのマッチ箱を検便に使ったっちゃ?」

 

「えっ?」

 

そういえばマッチ箱には、”中村金物”</strong>と書いてあった気がする。


中村さんの家は確か金物屋で、昨日、ばあちゃんははさみを買いに行って・・・ん?

 

そうです、中村さんちのマッチ箱にウ○コを入れてきてしまったのです!

 

その後、数ヶ月でその小学校を去ることになった、私ですが、この学校ではいろんなエピソードがあったので、続きは別の記事で紹介します。

 

 

 

 

 

 

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