思い出

「UPがHOT」?これって英語なのですか!

「UPがHOT」?これって英語なのですか!

 

エアコン工事現場でのエピソード

その日は、少々疲れぎみの善ちゃん。

そのエアコン施工現場は、マンションの最上階の部屋で、最も標準的エアコンを設置するだけという、彼にとっては目を閉じていてもできるような簡単なエアコン取付け工事のはずでした。

すでに夕方ごろになっていたが、この工事が終わったら、ようやく夕食にありつけるといった具合で、心は余裕たっぷり。

すでに工事現場に入る前に彼の頭の中は餃子とラーメンの妄想でいっぱいになっていた。

お客さん宅に到着し、呼び出しボタンを押す。
ピンポーン♪

 

「おぅ、メxソxレxチャxx・・・」

 

「ん?気のせいかな? まぁいい待ってれば来てくれるはず」

 

エントランスの扉が開いたのでとりあえず、マンションに入り、エレベーターでお客さんの部屋まで行きました。

すでに玄関の前では、笑顔がすてきなダンディーなお客さんが待ってくれていました。

しかし、目は若干ロンパリ気味で、どこか違和感を感じていた。

ロンパリなので、目を見て話をする彼にとってはちょっと違和感を感じたのでしょう。

彼は、人の目を見て話さないと気持ちが伝わらないといつも言ってて、車の運転中でも助手席の私を見ながら話をするので非常に不安を感じるときがある。

お客さん宅前に話は戻りますが、お客さんは「こうじしゃさま、どうぞぞうぞ」と言って部屋へ案内してくれました。

「こうじしゃさま どうぞ!」?

すぐにエアコンの設置場所まで案内してくれました。

彼は、「室内機の設置場所はここでいいですか?」と場所を指さしで確認した。

お客さんは(オッケーだと思うのですが)指の人差し指と親指を付けてうなずいる。

 

マンションの場合は大抵パターン化されているし、すでに穴も空いているし、穴の場所も決まっているので、よっぽどのことがない限り、室内機の場所は決まっているものですので、ここはそんなに気にしなかった。

次に室外機ですが、パイプの長さは短いことに越したことはないため、これも大抵決まってくるが一応確認する。

お客さんは同じように(オッケーだと思うが)笑顔でうなずいてくれた。

一通り、エアコン取付け内容を自分自身で確認した後に、エアコンの取付作業は予定通りスムーズに終了した。

 

最後に、注意事項などの説明をするのですが、彼は笑顔がすてきなダンディーにこれから翻弄されることになることは想定外だったに違いなかったはず。

 
一通りの説明を笑顔で黙って聞いてくれてるお客さんに彼は、こう付け加えた。
 

「ここってねー、最上階でしょう。だからちょっと夏暑いかもしれませんね。」

彼にしてみれば、その部屋はマンションの最上階なので、「普通の部屋よりも夏は暑いですよ」って言いたかっただけ。

しかし、なぜかお客さんは笑顔で固まっている。

もう一度、同じように説明するがやはり、笑顔で固まっているではないか?

お客さんは少々渋い顔になり・・・・

 

「Please Speak English .」

 

お客さんは中国人

実は、お客さんは日本人ではなかったようです。

改めて、伝票を見ると、”林 様”と書いてある。

彼は”はやし 様”だと思っていたが、実は”リン 様”だった。

中国人は一見、日本人に見えるところがやっかいです。

そっかー中国人は英語なのかーと変に関心している(違います!)のですが、彼は英語が非常に苦手。

いや、全く無知の英語アレルギー。

彼が愛用しているiPhone 5s(当時)なら翻訳もできるようだったが、彼はテンパってしまってそんな事も思いつかない。

熱意と根性で日本語とジェスチャーで伝えようとしたが全く通じない。

お客さんは落ち着いているが彼だけがテンパっている意味のわからない変な状況になり、お客さんは気を使って、缶コーヒーを彼に差し出した。

善ちゃんは、コーヒーが飲めない

どうせ、日本語で断っても笑顔で差し戻されるので飲むしかないという最悪の状況が重なった。

なぜか、この中国人・・・いや、お客さんは「どうぞ どうぞ」と勧めて来るのだ。

どうも、「どうぞ」だけはっきりとしゃべれるようです。

最悪

とりあえず飲むしかない。

テレビ番組で見たことはないだろうか、「この中にワサビ入りの饅頭を食べた人がいますが誰だかわかりますか?」とかいうやつです。

ゲーを吐きそうなぐらいの嫌いなものを笑顔で飲みながら目だけはどうしても笑えないというその状況だった。

日本語がわからないのをいいことに「コーヒーなんかいらんねん」と言いそうになったが、ここは”クッ”とこらえた。

一呼吸置いて落ち着いた様子で彼の説明は続くのだが、第一声に

 

「UPがHOT」

お客さんは目が点だ。
続けて、「MAXのROOMやから・・・・・・」

 

お客さんは微動だにしない。

 

 

エアコンの取付け工事は楽勝で、汗ひとつ出なかったのに、この説明中は汗だくになってしまったようです。

そして、私へ電話してきて、「アップがホットってなんて言うん?」

私には日本語で普通に言ってくれればいいのに、私も「アップがホット」がなんのことかさっぱりわからず・・・

そのまま電話機の切るボタンを押ししたことは彼には内緒にしておこうと思う。

彼は最後に「THANKS CHINESE」と言いその部屋を立ち去ったらしい。

いままで英語がこんなに必要だと思っていなかった彼の甘い考えが、こんな悲劇を生むならいっそのことなにも英語にしなければこのような伝説は生まれなかったのでしょうね。

それにしても善ちゃん、「THANKS CHINESE」って、意味わからんから。

 

「THANKS CHINESE」 = 「ごめんなさい」のつもり

 

 

 

 

 

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