思い出

レストランのアルバイト 貯金箱編

レストランのアルバイト 貯金箱編

疑心暗鬼

私がむかしアルバイトしてたレストランで、盗難事件が発生していました。

被害者は複数人おり、アルバイト仲間で犯人探しが始まっていました。

お金を稼ぐために、レストランにアルバイトに来ているのに、アルバイトに来ることでお金が減るなんてことは、悲しすぎます。

このような事件が起きると、みなが疑心暗鬼になり、結束力がなくなるものです。

ですから、レストランを経営や管理する人は、従業員の貴重品まで管理するようなシステムを考えてほしいと願います。

この犯人はとても巧妙で、財布から全額盗むのではなく、気付かないように少しずつ抜いていたのです。

このような巧妙な手口だったことから、犯行が明るみになるまでに、ずいぶん時間がかかったことを記憶しています。

 

 

レストラン本部から経理担当が来店

わざわざ600kmも離れたこの店舗に、本社の経理が来店したのには、理由がありました。

この店は、他の店と違って、過不足がケタ違いに多いことが問題になっていたからです。

正確に言うと、過はなく、不足のみが多かったのでした。

さらに、店長からの報告には、頻繁に発生している盗難事件の報告もあったため、様子を見に本社から経理担当者が来店したわけです。

さっそく、休憩中の従業員や暇そうな店員をつかまえてヒヤリングが開始されました。

 

経理:「最近、なにか変ったことはありませんでしたか?」

アルA:「はい、フロアにゴキブリが出没しました!」

経理:「…他には、なにかありませんか?」

アルB:「あっ!」

経理:「なに、どうしたの?」

アルB:「もしかして、ゴミ置き場から来たのかも!」

経理:「…なにが?」

アルB:「はい、ゴキブリです!」

経理:「……ゴキブリはもういいの!それ以外で他になにかありませんか?」

アルC:「そういえば」

経理:「なになに、どうしたの?」

アルC:「今、トイレが詰まります!」

経理:「どれだけ、掃除してないのよっ!」

アルC:「いつも、ピカピカに掃除してますよ、失礼ですね!」

 

気の強い、アルCに思わぬ反撃を食らって、すこし怯む経理担当。

 

経理:「まぁ、いいわ。それは、店長がなんとかしなさい。」

店長:「かしこまりました。」

 

経理:「私が知りたいのは、お金の事よっ!盗難事件があったり、レジ締めの金額が不足するとかはないの?」

 

…(全員が沈黙)

 

私は思った:「あんたが誰なのか紹介も受けてないし、何が聞きたいのかも全く分からない状態で質問しまくるな! そりゃ、純粋無垢な少年少女たちなんだから、無邪気にも答えるに決まっているし。」

 

経理:「さっきから気になっているんだけど、レジの横に置いている小さな貯金箱はなによ!?」

 

言われて初めて気が付きましたが、よく見ると本当に小さな貯金箱が置いてありました。

募金箱にも見えないし、売り物でもなさそうです。

私はずっと、飾りの置物だとばかり思っていました。

すると、店長が得意げに答えはじめます。

 

店長:「これはですねぇ、レジ締めをした時に、売り上げよりも確認した現金が多いときがあるんですよ。」

経理:「ん?…うっうん…そっそれから?」

 

店長:「そういう時はですねぇ、ここに入れて貯金しているんですよ。」

 

私から見ても、はっきりと分かりました。

その時の経理担当者の顔から血の気が引いていくのを。

そして、クラクラと立ちくらみしそうになっているのを見逃しませんでした。

まじまじと顔を見て見ると、黒目が点になって、口がポカンと開いたままでした。

きっと、怒りを通り過ぎて、あきれていたに違いありません。

 

経理の心の声を代弁します:「・・・おまえ、・・・あほ?」

 

 

店長交代

経理担当者が来店してから2週間後に店長が違う人に変わりました。

その頃には、盗難事件も自然と無くなっていたのでした。

犯人は、本社から経理担当者が来たことを知って、身を潜めたのでしょうか。

それからアルバイトのみんなは、店長が変わることに

「えーなんでー」って残念がっていました。

中には、「盗難事件の犯人は店長だったのかも?」って言う人もいました。

私は、なんとなく理由が分かったような気がしていましたが、店長の名誉のため、発言は極力控えていました。

ちなみに、盗難事件の犯人は、以前に働いていた元アルバイトの人間だったこと、あとから判明しました。

入れ替わりのタイミングを知っていて、ロッカーまでのルートも熟知していたので、犯行はいとも簡単に行われていたようでした。

不運な店長

後から、キャプテンに聞いたのですが、店長は不足金が出た時には、その貯金箱から足していたようで、決してやましい気持ちがあったわけではないとのことでした。

しかし、それは経理の視点で見ると完全にアウトだったようです。

それから、あまりにも掃除が出来ていなかったこととかが重なって、飛ばされたと聞きました。

でも、私の感覚では、店舗はすごくきれいで、ピカピカでした。

掃除が出来ていないなんて、とても思えませんでしたので不思議です。

トイレが詰まったのもタイミングが悪すぎただけだと思います。

私は、この店長とは、馬が合っていたので、本当に残念な気持ちでした。

実は、店長と私はよくケンカしていました。

それは、未熟な私に本気で接してくれていた証拠です。

店長が移動する直前にも私は、店長と大きな喧嘩をしました。

私は、親に叱られた記憶がないので、この頃は父親のような店長に甘えていたのかもしれません。

 

アルバイトで学ぶ経験は、社会人になってからでは学べないものも多くあります。

高校生だから学べることも多いことは確かです。

高校生のアルバイトの始め方

 

このレストランでは、他にもエピソードがあります。

前のエピソードをご覧になる方はこちらをクリックしてください。

関連記事:レストランのアルバイト経験から私が学んだもの

関連記事:レストランのアルバイト マニュアル編

 

 

 

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