メモ

農地から雑種地へ転用した備忘録

農地の画像

会社の車が増えて、駐車スペースがなくなっていましたので、近所に土地を探していました。
不動産を訪ね、色々と検索もしたのですが、条件の良い土地は価格も高く、どうしようかと悩んでおりました。
実は、露天駐車場にするには最適の場所があるにはあったのですが、お金の問題以外で変えない事情がありました。
土地は雑種地の形をしており、なにもせず露天駐車場にでき、広さも十分で、価格も割安でした。
しかし、そこは「農地」でした。
とても田んぼには見えませんでしたが、登記では農地となっており、農家しか購入することができません。
私は農家ではないので購入することができなかったんです。
あきらめて数年、やっぱり気になっていたので意を決して農地委員会に出向きました。
すると、条件さえクリアして、農地法4・5条許可を受ければ地目変更ができるようでした。
地目変更が出来れば、私でも購入することは可能なんです。
その条件を伺ったところ、自分なら何とかなりそうだと思ったので挑戦してみました。
結果としては、無事に地目変更に成功したので備忘録として書き残しておきます。

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条件

土地の所有者の承諾

そもそも論ですが、金額を含む売買契約の約束があることが大前提です。
購入予定金額、引き渡し可能日も含めて約束しておくこと。

利用目的の説明ができること

投資目的などでは絶対に許可されません。
私の場合、法人事業で車両がたくさんありましたので、単純に駐車場として申請しました。

どうしても、その場所でないといけない理由があること

私の場合、現在使用している駐車場が拠点から離れていました。(車で15分)
ちなみに、その農地だと、徒歩5分でした。

どうしても、その面積が必要であること

所有している車の台数から、その面積が必要であると証明できました。
例えば、車を2台ほど止める場合だと25平方メートルほどでいいのですが、200平方メートルの土地だと許可されません。

他で探しても、代わりになる土地がない場合

私は、実際に探していましたので、候補となる住所と面積をピックアップしました。
これは、いくつ以上とか、目安があるわけではありませんが、私は8件ほど書きました。

同意書をもらえること

これは、実はそんなに難しくありません。
私は、ここを一番気にしていましたが、農地委員会の人に伺ってみると、ここで苦労する人はいないとのこと。
必要な同意書は、後述します。

購入資金が十分にあること

土地の購入資金に加えて、造成工事費用、その他の諸費用も含めた金額が必要です。
銀行の残高証明書が必要です。
通帳のコピーとかでは、受け付けてもらえません。
他には融資証明書などでも可能。
今回の場合、土地はすでに雑種地の形に違反転用されていたので、造成工事費用はかかりませんでした。
※違反転用は後述します。

必要な書類

管轄している農業委員会のホームページにフォーマットがありますが、初めは農業委員会に足を運んでから、相談して書類を頂く方がスムーズかと思いました。

1.土地の登記事項証明書

法務局で取得できます。
全部事項(発効から3か月以内のもの)
登記事項の要約書もありますが、こちらでは項目が不十分なので不可です。

2.法人の登記事項証明書

法務局で取得できます。
法人の場合のみ

3.定款

法人の場合のみ
原本が必要ですが、電子定款の場合は、内容の印刷物で可能

4.水利組合同意書

面積に応じたお金が必要で、意外に高額だったりします。
水利組合の会長に同意していただくのですが、役所の農水産課で会長の住所や名前を確認ができます。

5.農会同意書

農会長に同意していただくのですが、役所の農水産課で住所や名前を確認ができます。

6.土地改良区の意見書

今回は不要でした。

7.隣接農地同意書

今回は、1筆のように見えましたが、審査の結果2筆とのことでした。
私道と公道だったのですが、私道の向こう側も対象となりました。
また、法務局で「地図等情報」を取得する必要もあります。

8.位置図

申請地の位置を明示した図面
1/5,000 ~ 1/10,000程度

9.見取図(住宅地図)

申請地周辺の市街化及び営農の状況を明示することでしたが、今回は不要でした。
売る覚えですが、農業委員会の人が作ってくれたような…?

10.地図、公図

法務局で入手できます。
申請地を明示するもの。
隣接地の地目、現況、土地所有者、耕作者名を記入

11.進入路通行承諾書

第三者の土地を進入路とする場合に必要とのことで、今回は不要

12.事業計画図(配置図)

今回は、ここが肝でした。
手書きでも何でも良いのですが、周辺の土地を含めた地図にどのように車を何台配置するのかを書き込み、車の車種や大きさなど、細かく明示する必要があります。
枚数は多くなっても良いので、とにかくたくさん情報を書き記す必要があります。
添付資料として、現在使用している駐車場の場所(地図付き)と面積も提出。
拠点から、対象となる農地への地図と経路も提出。

13.農機具配置図

農業用倉庫を設置する場合なので、今回は不要

14.代替地の検討書

選定条件と選定結果(購入しなかった理由)を書きます。
候補地は、多いほど有利だそうです。

15.見積書(造成費・建築費)

今回は、そのまま使用できる土地だったため不要でした。

16.資金照明

預貯金の残高証明書を提出

17.農用地区域に関する証明

役所の農水産課で取得することができます。
知事の印鑑まで頂く必要があるので、当日にいただけない場合もあります。

18.抵当権者、仮登記権利者の同意書

今回は、抵当権などありませんでしたので不要でした。

19.官民境界協定書の写し

申請地内に市町所管の里道や水路が含まれている場合必要。
今回は不要でした。

20.農地復元確約書

一時転用の場合のみなので今回は不要

21.委任状

今回は、土地の所有者に変わって私が行ったため必要でした。
印鑑証明も必要です。

22.始末書

今回の土地は、農地の持ち主が農業委員会の許可を得ずに勝手に田んぼから盛り土して雑種地(更地)に造成してしまっていました。
つまり、違反転用でした。
ここは、2転3転したのですが、最終的には土地を買い受ける私が始末書を書くことになりました。
ここは、農業委員会の中でも人によて議論がありましたので、同じフォーマットで持ち主と買い受ける人の2枚あればロスがないと思いました。

審査

必要書類を農業委員会に提出すれば、審査委員会で審査されることになります。
農業委員会が協力的な場合、準備資料をじっくりと確認してくれるため、受理されたらほぼ安心できます。
審査委員会は毎月1回ですので、タイミングが悪ければ結果が出るまでに3か月ほどかかります。
通常、違反転用の場合、とても審査が厳しいのですが、今回は違反転用した本人が他界しており、相続により、どうがんばっても農業ができない高齢者だったため審査も緩くなっていたように思えます。
農業委員会も違反転用の農地は、農地に戻すように動かないといけないこともあり、渡りに船だったのかもしれません。


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