火があれば明かりを灯すことも出来ます。
火があれば調理することも出来ます。
火があれば暖を取ることもできます。
知っておいて損はありません。
しかも、とっても実用的な方法もあります。
自由研究にも使えるかもしれません。
燃えるとは
火を手に入れるには、物質がどのように燃えるのかを知っておく必要があります。
燃焼には3種類の燃焼が存在しています。
例えば木を燃やした場合、どうやって燃えているかご存知でしょうか?
「はい?」
そう、火を付ければ燃えるのが当たり前すぎて、ふつう考えません。
危険物の取扱や消防に関連する勉強をしていない限り、あまり知らないかもしれません。
分解燃焼
特徴として、赤や黄の炎を出しながら燃えます。
木は分解燃焼の代表的な燃え方をしますので、木の燃えるフローを見てみます。
木が燃えるフロー
木に火を近づける。
↓
木が火に当たると、温度が上昇して木に含まれている水分が蒸発して乾燥します。
↓
さらに温度が上昇して次に熱分解が発生します。
↓
熱分解することにより、木から可燃性ガスが発生します。
↓
この可燃性ガスは引火することが出来ますので、このガスが燃えれば炎がでます。
↓
その炎の熱が、さらに木の熱分解を発生させます。
↓
熱分解すると可燃性ガスが出ます。この繰り返しで燃え続けることができるわけです。
だから乾燥した木は燃えやすく、生の木であっても水分がなくなれば燃えてしまうのです。
蒸発燃焼
特徴として、分解燃焼と同じく赤や黄の炎を出しながら燃えます。
アルコールなどの可燃性の液体が燃える時は蒸発燃焼となります。
それ自身が燃えるのではなく、液体の蒸発によって生じた蒸気に引火して炎を出して燃えます。
例えば、ロウソクは固体ですが蒸発燃焼します。
温度が上がり、固体から液体になり、さらにそれが蒸発して燃焼しています。
表面燃焼
特徴として赤熱して炎を出さずに燃えます。
強制的に熱分解し、可燃ガスを全て放出して炭化したのが木炭などの炭です。
着火後は熱分解も蒸発もしないため、高温を保ちながら空気と接触した部分のみが燃焼します。
表面燃焼は炎が出ませんので、この記事では出番はありません。
シーチキンの缶詰を使う
シーチキンの中は、たっぷりの油で満たされています。
ですから、蒸発燃焼させることが出来ます。
明かりを灯す
図のように、シーチキンの上面にキリなどで穴を空けて芯を差し込みます。
芯は油を吸う素材ならなんでもかまいませんが、手っ取り早くティッシュでも大丈夫。
ティッシュでこよりを作る要領で、芯を作り差し込みます。
5センチ以上入れたいところですが、入るだけ適量入れて1センチ程出ていれば完了。
そのまま数分待機し、芯(今回はティッシュ)に油が浸透するのを待ちます。
油が浸透していない間に火をつけると、燃えるものがティッシュしかありませんので芯がなくなってしまいます。
後はライターで芯に火を付けます。
燃えやすいものから燃えますので油が燃え芯は燃えずに残ります。
「シーチキンL(140g)」のツナ缶で、ギリギリ1時間の燃焼をします。
油がなくなって火が消えたら油のないヘルシーなシーチキンを食べることも出来ます。
すこし温かくなっているのでおいしいです。
料理をする
料理をするなら明かりを灯す以上の炎が必要。
ですから缶切りでシーチキンのふたを全部開けます。
缶切りが発明されたのは缶詰が発売され始めてから48年後のこと
そして、キッチンペーパーを3枚ほど重ねて使用します。
下図のように缶よりも少し大きめのペーパーを置き、真ん中を指で沈ませます。
キッチンペーパーに油が染み渡るまで待ちます。
油が浸透していない間に火をつけると、燃えるものがキッチンペーパーしかありませんので、ただキッチンペーパーが燃えてなくなるだけ。
そして、ペーパーの4角に火を付ければコンロの完成。
「シーチキンL(140g)」のツナ缶で約20分間の燃焼をします。
かなり強火なのでご飯だって炊くことが出来ます。
1合ぐらは余裕で炊けます。
手際がよければフライパンでもう一品おかずが作れます。
でも、おかずを作らなくても燃焼した後のシーチキンがおいしく食べられるので充分。
燃焼後は、キッチンペーパーが真っ黒になっていますが大丈夫。
真っ黒になったキッチンペーパーをゆっくり剥がすと・・・きれいなシーチキンが出てきます。
暖かくなって燻製のような味になっています。
缶切りがない場合
コンクリートの地面などでゴリゴリこすれば簡単に開きます。
ある程度こすったら、握ってください。
ポコッ!って感じで空きます。
マーガリンを使う
マーガリンも油の塊ですので、蒸発燃焼させることが出来ます。
要領は、ロウソクと同じです。
明かりを灯す
マーガリンに直接、芯を差し込みます。
芯は、ツナ缶で使用したように、ティッシュで十分に代用できます。
マーガリンの場合、液体ではないので待機してても、なかなか芯に浸透しません。
ですから、はじめに芯にマーガリンを少し塗っておくのがコツ。
プラスチックの容器のままで燃焼させると危険ですので、容器はセトモノなどの容器に移して使用してください。
もっと簡単に
最も手軽に作るのであれば、コップにサラダ油を入れて芯を倒れないように刺せばいいだけ。
その場合に使用する容器はガラスではなく、陶器が熱に強くておすすめ。
暖を取る
寒いときには、火を使えば暖を取ることだってできます。
でも、ただ燃やしただけではなかなか効率が悪いですし、火が消えた瞬間にすぐに冷えてしまいます。
ですから、暖炉のしくみを利用します。
身近にあるものを利用すると考えて、素焼きの植木鉢などの燃えない物を用意します。
たくさんある方がたくさん蓄熱出来るので、あるだけ使います。
そして、炎でそれらをあぶるように設置します。
すると、輻射熱が発生しますので、周りが非常にあたたかくなります。
そして、火が消えた後も、蓄熱されているので温かさが持続します。
暖炉が温かい理由は、周りの煉瓦(レンガ)に秘密があります。
暖炉に使用される煉瓦は、特殊な煉瓦で、熱をたくさん蓄熱するような性質を持っています。
このような特殊な煉瓦でなくても、素焼きの植木鉢なら少しぐらい応用が出来ます。
ですから、燃焼が止まらないように、穴をふさがずに、鉢を重ねて設置すればより効果的。
穴を塞いでしまうと、酸素の供給が出来なくなり、火は消えます。
まとめ
探せば、身の回りには意外に燃えるものがたくさん見つかるはず。
それらが、どうやって燃焼するのかが分かれば、もう使い方はわかるのではないでしょうか。
燃やすものによっては黒煙が出るものもありますので注意してください。
私の経験では、キッチンにあるものを燃やすと比較的安全。
自由研究ならどんなもので火を手に入れられるか?
その火でどこまで何ができたか?
実験なら、火を使うので風対策をして屋外で試してください。