考え方

『神』という言葉は私にとって無意味


まるで『神』を全否定するような言葉ですが、これはアインシュタインが亡くなる前年の1954年に書き残した手紙に書いてあった言葉で、アインシュタインの『神』に対する考え方です。

『神』とは人間の弱さが生んだ産物以外の何物でもない

これは、アインシュタインが宗教学者のエリック・グートキント宛に書いた手紙に書いてあった言葉で、エリックが出した宗教や聖書を肯定する本に対しての批評でした。
さらにアインシュタインは、「聖書も尊ぶべきものではあるが、それでも子どもじみた原始的な伝承の寄せ集めだろう」と神や宗教に対して否定的な態度を表しました。

アインシュタインは有神論者

アインシュタインが生きていた時代は、今よりも宗教が盛んだった時代で、なぜそういう考え方ができていたのかが気になりますよね。
有神論者であったアインシュタインは、幼いころからキリスト教の考え方を信じて、神の存在を強く信じていました。
しかし13歳の時、興味が自然界や物理学に向いたことにより、何でも信じて無批判な宗教的な態度に嫌気を感じ「宗教は嘘を信じさせ、騙そうとしていると感じた」らしく、宗教とは距離を置いて物理学に専念するようになりました。

天才過ぎて宗教そのものを疑い始めたという事です。

当時「この世は神が作った」と強く信じられていた時代でしたが、アインシュタインは研究を続けるうちに聖書への矛盾をいくつも発見してしまいました。
つまり、キリスト教の創造神的な考えを科学的に否定できてしまったんです。
それでもアインシュタインは、常々「私は無神論者ではない」と公言していましたよ。

スピノザの『汎神論』

ここまで言っておきながらって思うかもしれませんが、彼は無神論を熱狂的に支持することは、神を絶対的に信じる宗教の態度と同じものになると考えていたので、宗教や神を否定するために全神経を注いでいたわけではないのです。
そして、17世紀に活躍したオランダの哲学者スピノザが提唱した「汎神論」にアインシュタインは賛同していました。
汎神論とは、この世のすべての物に神様は宿っているとう考え方
私は小さい頃に、おばあちゃんがお米一粒にも神様が宿っていると聞かされたこともありましたが、まさにそれです。
自然への関心が強かったアインシュタインは、猛烈に賛同し「自然法則が神であり、それを解き明かすことが科学者の役目である」という言葉を残しています。
つまり、アインシュタインは神そのものを否定してたわけではなく、キリスト教のような「人格神」への信仰に疑問を感じていたわけです。

私が信じるのはキリスト教の神ではなく、スピノザの神です。

この汎神論というのは、世界で唯一八百万の神という観念をもつ日本人の考え方に似ていて、アインシュタインは大の親日家ということで有名でした。

神はサイコロを振らない

「神はサイコロを振らない」と言うアインシュタインの名言があります。
この名言が一人歩きして、アインシュタインを熱心なキリスト教信者だと思っている人が多いのも事実。
でも、この言葉は神の存在を肯定する意味で言ったのではなく「量子力学」への否定的な意味が込められていたんです…
「量子力学」なんて、私でも何回本を熟読しても理解できないほどややこしい話ですのでさらっと読み進めてください。
アインシュタインは、観測される現象が偶然に選ばれたり、同じ条件の実験でも違う結果になったりする量子力学に対して『曖昧だ』との否定的な態度をとったわけでした。
つまり、アインシュタインは、この世のすべてには法則性があって、それに伴ってすべてが動くと考えていたため「神はサイコロを振らない」と言うのは、アインシュタインの比喩で、量子力学への反論のために言った言葉だったのです。

愛に溢れるアインシュタイン

ここまでの話を聞くと、まるでアインシュタインが気難しい人に思えるかもしれませんが、全然そんなことはなく、娘のリーゼルに送ったある手紙について紹介します。
この手紙にも、アインシュタインの神への考え方を表すヒントがありました。
アインシュタインは、娘への手紙を1400通も送っています。
この手紙は、アインシュタインの没後20年は公開しないことを約束されて大切に保管されていました。
多くの手紙の中から神に関する文章を引用

愛のために私たちは生き、また一生を終える…

と書き始め

愛は神であり、神は愛だ

と続けました。
さらに…

愛には限界がないため、愛こそが存在する最大の力であるという結論に至った。
私がお前を愛しており、お前のお陰で私が究極の答えに到達したことを、お前に告げる必要があった。

アインシュタインは偉大な科学者でありながら、普通の人間の普通の考え方を持ち続けていて、その一般的な思考と天才的発想を混ぜながら神や愛についても解釈していたわけでした。

さいごに

アインシュタインの神に対する考え方を記事にしてみました。
個人的には、神が人を作ったのではなく、人が神を作ったんだと思っています。
そして、実は絵にかいたような神は存在しなくて、イベントとして人間に利用されているように感じています。
宝くじを神様に祈るなんてことは辞めた方がいいわけで、真面目にコツコツ働くのが良いってことなんです。
さらにアインシュタインの名言で興味深いものを見つけたので、この名言の紹介で締めくくりたいと思います。

人が恋に落ちるのは万有引力のせいではない


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