思い出

告白はどこへいってしまったのか

告白はどこへいってしまったのか

モテ期

世の中には「誰にでもモテ期がある」と言う都市伝説があります。
私は、ストーカー被害まで受けたこともあるのですが、女性から告白されたことは一度もありません。
なんとも、理解しにくい文章で申し訳ありませんが、そんなにモテないわけではなかったのですが、告白されるほどではなかったって事。

そんなわけで、モテる人が羨ましい。(嘘)
ストーカー被害にあったことを自慢するわけではないですが、そんなに嫌われる要素もなかったわけです。

告白されるっぽい

そんな私にも告白されかかった時がありました。

それは就職して2年目のクリスマス3週間前のこと。

私は借金の返済と欲しい車の購入費用を稼ぐために、夜中にレストランでアルバイトをしていました。

ある日、突然ある女性から話しかけられました。

「あのー、ちょっとお話があるんですけど・・・」


これはくる!?

思い返せば、彼女はバイト先で妙にやさしかったような気がする。

ちょうどこの時期、働きすぎで疲れていたので、他の人よりも妙に大人しめだった私は、かなり「渋めのお兄さん」という雰囲気を醸し出していたのかもしれません。

「詳しい話は、時間をつくって別の場所でゆっくりとお話したい」

この申し出をあまり考えることなく、すぐに承諾した。

私と彼女は2週間後の週末に会う約束を交わしました。

でも、なんとなく雰囲気でわかります。

これは間違いなく「告白」に違いないと。

ついにきた!

オレにも告白される時が!

ドキドキしながら会う日が来るのを待っていた私は、数日前から緊張してた。


当日になって待ち合わせ場所に行くと、既に彼女が待っていました。

さりげなさを装いつつも、いつも冷静な私の心臓は、通常の2倍の速さで脈打っていた。

彼女:「こんにちは」

瀧 :「元気?」

私に向けられた彼女の目は、まさに憧れの人を見る、その眼差し。

私はかつて、そんな眼差しを見たことがあります。

それはアニオタの善ちゃんが、アニメに詳しくない私に、ひたすらアニメの話し続ける時の善ちゃんのあの目。

私たちは近くのファミレスに入ることにし、店の入り口を入ろうとした

その時!

バンッ!

とてもバカでかい音と共に私は弾き飛ばされました。

まるで超能力で作られた見えない壁に弾き飛ばされたかのようです。

いったい何が起こったのか?

説明しよう
ファミレスの入り口は2重構造になっており、私は磨き込まれた最初のドアのガラスに気がつかないで激突してしまった。

痛い!

とにかく痛い。

人間はぶつかることがわかっている場合は、本能的に防御的な姿勢をとるのですが、予測していなかった時は、力の加減をすることなく勢いよくぶつかる。
これは涙がでるほど非常に痛い。
私は顔面をガラスにぶつけて、顔が痺れた状態になって、涙目。

彼女:「大丈夫ですか?」

 

彼女が私の顔を覗き込みした。

彼女の顔からなんとなく・・・

表情が消えている
ような気がした。

気を取り直して、私と彼女はテーブルについた。
それからミックスジュースとバナナジュースを注文した。
会ったときの彼女から感じた「憧れのまなざし」は、「ちょっと疑問系のまなざし」に変わっているような気がしたが気にしないでおこう。

私は以前、そんな眼差しを見たことがありました。

それはアニオタの善ちゃんが、実は私がアニメに詳しくないことをいいことに知ったかぶりをしているのではないかと疑いはじめた西くんの目。
しかし、とりあえず近況報告など当たり障りのない会話が続けているうちに、彼女の憧れのまなざし度は多少持ち直したように思えた。

次の瞬間!

彼女は意を決したように、なにかを言いはじめました。

「あの、お願いがあるんですけど・・・」

 

私は 「くる!」と思いました。

ここまでくれば次の台詞は・・・「付き合ってください」しかないはず。
私は緊張を鎮めるためにミックスジュースを飲み干した。

その時!

私はミックスジュースが気管に入ってしまった。

むせた拍子に、口や鼻から液体が飛びだした。

そして、テーブルの上に

“ピチャ”

結構彼女の近くに

“ピチャ”

咳がおさまると、私はちらっと上目づかいに彼女の様子をうかがいました。

 

また表情が消えている!

時間が一瞬止まったような気がした。

しかし彼女は、もはや計画の遂行あるのみといった感じ。

表情を消したまま、告白の言葉を口にした!

 

「友達として、付きあってください」

 

”友達として”

それは振られるときの定番の台詞。

何故に、わざわざ呼び出されて、告白を受ける立場だったはずの私が、頼んでもいないのに、いきなり振られなくてはならないのでしょうか?

その後

彼女とは友達としても付き合うことはありませんでした。

あの~、私の告白はどこへいったのでしょうか~。


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