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ガス給湯器のエコジョーズはお得なのか?



業者の中には「ちょっと効率がいいだけで機器の価格が高いのでお勧めしません」なんて言う人もいます。
間違えているとまで言いませんが場合によります。
良い面と悪い面を説明します。

環境にやさしいガス給湯器

エコジョーズは高効率なので燃料費の削減になることは間違いありません。
だからといって必ずエコジョーズを購入した方がお得になるかというと、そうとも限りません。
でも地球環境の観点から考えるとエコジョーズが環境にやさしいことは間違いありません。

良い点は2つ

1つ目は、熱効率が高いので燃料の消費量が削減できます。
それに伴い二酸化炭素排出量も削減されるからです。

2つ目は、通常の給湯器なら排気ガスはそのまま大気中に放出されますが、エコジョーズの場合は潜熱を回収する際に排気ガス中に含まれる水分を凝縮します。
その時に結露したドレン水には普通なら排気ガスと一緒に放出される窒素酸化物や硫黄酸化物が含まれます。
そのドレン水はph2.8程度の強い酸性の液体になっているので中和させて排水させる必要があります。
このため酸性雨の原因となる窒素酸化物や硫黄酸化物は排気ガスからの排出を減らしていることになります。

エコジョーズタイプのガス給湯器はお得

ガス代(燃料費)は約16%削減できます。
イニシャルコスト(初期投資)がおおよそ5,6万円ほど機器の価格が高額になります。
ランニングコスト(日々の消費)でイニシャルコストが回収できるかどうかは使用率に大きく影響されます。
例えば6万円高く機器を購入したとして4人家族だったと想定すると、約12000円/年間ほど削減できることになります。

12000円 x 5年 = 60000円

ガス機器が5年以上故障せずに使用できれば得になる計算です。

3000円 x 20年 = 60000円

独身であればイニシャルコストを回収するのに20年以上故障せず使用できなければ元は取れません。
機器の寿命から考えると、2人で使用しても微妙な計算になります。
あくまでも費用の目安です。

エコジョーズのしくみ

給湯器の排気ガスの温度は200℃ぐらいあるんです。
この熱をうまく利用できれば効率が上がると考えたのが始まりです。
熱交換では、温度差が大きければ大きいほど燃料を多く消費することになります。
なので、メインの熱交換器に入れる上水を200℃の排気ガスを使って温度を持ち上げるサブの熱交換器を装備しています。
そのため、メインに入る上水の温度が常温から少し上昇するので温度差が少なくなるため、消費する燃料が削減できています。
サブの熱交換器は、排気ガス中に含まれる水分を凝縮させることにより潜熱回収する構造なので、サブの熱交換器は非常に結露することになります。
この結露したドレン水はph2.8程度あり、強い酸性を示しています。
そのまま排水することには環境的に問題があるため、炭酸カルシウム系天然石を使って機器内部で中和させています。
※炭酸カルシウム系天然石は徐々に消費されるため、いずれ消えてなくなります。
※このドレン水はコンクリートでも腐食させるので、ドレン水をどこまで排出させているかを必ずチェックしておいてください。
設計としては製品寿命を15年と考えて15年間の使用が出来る量を入れています。
こうして排気ガスの温度が回収利用されているのでエコジョーズの排気温度は60℃ぐらいにまで下がっているのです。
この構造により従来の80%の効率が95%にまで上昇しています。

排気ガスの勢いが弱い

排気ガスの勢いが弱いのは、一見メリットに思われがちですがデメリットなんです。
潜熱回収するため排気ガスの勢いが弱く、湯気が多くなります。
潜熱回収するときに酸性のドレン水が出ますが湯気としても出て行きます。
ですから給湯器本体を設置している場所の近くに金属があれば腐食します。
非常に強い酸性ですからステンレスでも腐食させます。

まとめ

コスト面で考える場合、本体価格と使用人数で計算すれば大丈夫です。
エコジョーズの場合、排水工事も必要になるため通常よりも工事費が高くなります。
環境面を重視するならエコジョーズを選択すれば良いことになります。
エコジョーズは、サブの熱交換器があるので重量が重くなりますので設置する壁面の負担は大きくなります。
また、構造が複雑になることで故障リスクはあがります。
最後に説明した排気ガスの問題がありますので設置場所をよく見ておく必要があります。
いかがでしたでしょうか、一長一短ありで判断が難しいところもあります。
業者に一任するのはちょっと危険な要素がたくさんありそうです。
ちなみに「エコジョーズ」の呼び名は愛称であって正式名称ではありません。
正しくは「コンデンシングボイラー」と呼びます。
当社でもガス工事は行っておりますので、是非見積もりに混ぜてください。


葉隠 瀧: このサイトを管理しているのが葉隠 瀧です。
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