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黄ばんだプラスチックを元の色に戻すには


黄ばんだプラスチック製品を重曹で元に戻そうとしている人を見かけました。
その人がなぜアルカリ性の重曹を使っていたのかは聞きませんでしたが、それより100倍いい方法があるので記事にしようと思いました。
よくあるファミコンのカセットなんて、確実に綺麗になりますよ!

プラスチックの材料

家電に多く使われるプラスチック(樹脂)は、安全で機能的である必要があります。
家庭用は、特にデザイン性も要求されるため、加工性が良いものを使う必要があるのですが、そうなってくるとほぼABS樹脂になります。

Acrylnitrile (アクリルニトリル)Butadiene(ブタジエン)Styrene(スチレン)

ABS樹脂は、体内に入っても安全なもので、加工性が良く、剛性・硬度・耐衝撃性に優れています。
余談ですが、スケルトン(透明な)樹脂を見たことがあると思いますが、これはAS樹脂といってABS樹脂からButadiene(ブタジエン)を抜いた材料です。

黄ばむ原因

経年劣化(黄変)

ABS樹脂に含まれるブタジエン成分が劣化した場合、黄色く変色します。
今回の方法では、経年劣化の場合は元に戻せません。
でも、黄ばんだ原因は一見して判断できませんので諦めないでほしいです。

化学変化(暗所黄変)

ABS樹脂には、酸化防止剤や難燃剤などの添加物が混ざっています。
段ボールや押し入れのべニア板に使用されている接着剤に含まれる物質と添加剤の酸化防止剤が化学変化して黄色く変色します。
多くの場合はこれで黄変しています。

黄ばみを元に戻す方法

今回は、化学変化(暗所黄変)による黄ばみを元に戻す方法を解説します。
化学変化で変色したらなら還元すればいいだけなので、単純に考えると酸性の液体に漬けると黄ばみは消えそうです。
つまり、化学変化で戻せるということ。
過酸化水素水に漬けたプラスチックに紫外線を当てると酸化防止剤(添加物)が化学反応を起こして黄ばみが元の色に戻ります。
過酸化水素だけだとABS樹脂(プラスチック)は傷んでしまうので、漂白活性化剤が必要になります。
「過酸化水素(酸素系)」と「漂白活性化剤」の両方が入っている漂白剤と太陽光(紫外線)があればできます。

酸素系漂白剤

塩素系ではなく酸素系の漂白剤を準備します。
「過酸化水素(酸素系)」と「漂白活性化剤」の両方が入っている物。
下記の2品は、その条件を満たしています。
ワイドハイターEXパワー

手間なしブライト

やり方

漂白剤を6~12%の濃度で薄めた「過酸化水素水」を作ります。
原液を使用したら反応は早いですが、素材を痛めるので薄めることを強くおすすめします。
個人的には12%が良いと思います。
黄ばみの進行度合いと気温や紫外線の量にもよりますが、12%だと1日~7日程度で完了します。
紫外線が透過するような透明な容器に希釈した過酸化水素水を入れて、黄ばんだプラスチックを浸かるまで入れて放置するだけ。

注意点

・密閉しないこと
過酸化水素が抜けてしまうので、少しは蓋をした方がよいのですが、化学反応したときにガスが発生するので小さな穴は必要です。
・限界ポイント
プラスチックの表面がポツポツと犯されてきたら漬け置きを停止したほうがいいです。
6%ぐらいに希釈したら、倍の時間はかかりますが、安全にゆっくり変化を確認できます。

さいごに

段ボールや押し入れに保管している物ほど、久しぶりに取り出してみたら黄ばんでいたりしませんか?
その原因のほとんどが暗所黄変だったんですね。
液体に漬け込む必要があるので、分解する必要がありますが工夫次第かと思います。
車のヘッドライトの黄ばみのように、紫外線によって黄ばんだプラスチックプラスチックもありますが、こちらは表面を研磨することで元に戻ります。
車のヘッドライトはABS樹脂ではないですし、また原因が違います。
参考記事:車のヘッドライトの黄ばみは簡単に透明にできる


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