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レストランのアルバイト経験から私が学んだもの 後半


これは続きの話ですので、はじめから読まれる方はこちらからどうぞ

レストランのアルバイト経験から私が学んだもの 前半

オーダーミスの後

続けてキャプテンは私に言います。

キャプテン:「あのお客さんのオーダーも行ってごらん」

私は気を取り直してもう一度オーダーを伺いにいきました。
するとどうでしょう
なにが起きたのかさっぱりわかりません。
また違う料理が運ばれてきたのです!

瀧 :「この機械(ターミナル)壊れているのかぁ?」

キャプテン:「ちょっと貸してごらん」

キャプテンがテストしても機械は正常動作していました。
そんな中、容赦なくお客さんは来店します。
またキャプテンは言います。

キャプテン:「あのお客さんのオーダーも行きなさい」

怯える自分をグッとこらえて…次こそは!
必死にオーダーを受けました。
またオーダーミスです。
なんと私は3回も連続でオーダーミスをしてしまったのです。
私は立ちくらみで、その場に崩れそうになりました。
普段冷静な私もオーダーを取るのが怖くなってしまって・・・

「もう、私はブロック業務はやりません!」

そう言っちゃいました。
そこから私はまた料理を運ぶ「パントリー」に逆戻りです。
フロアで淡々とオーダーをとっている人たちが神に見えていました。
それから数か月が経過し、後から入店する人に教育する立場になりながらも自らオーダーを取ることを一切しない中堅トレーナーになっていました。
お客さんの前での復唱も正しかったのに、はじめ何が原因でオーダーミスをしたのかがさっぱりわかりませんでした。
結局自分なりに冷静に分析した結果“略語”を完全に勘違いしていることに気が付きました。
他の人が同じような間違いを犯さないように新人には略語の紛らわしさを徹底的に教えました。
新しく来た人が言います。

新人:「なぜそんなに詳しくて、なんでも知っているのに実際のオーダー業務はやらないのですか?」

瀧 :「俺は実務でオーダーを成功したことがないから」

新人:「うっそー!それはおかしいですよ。私たちに教育する時は普通に間違いのないオーダー打てているのに?」

そうなんです”やらない”と言いつつもトレーニングする立場上いつも練習していました・・・

瀧 :「初めに3回ミスしてから、めっちゃビビってる」

新人:「4回目は?」

瀧 :「やってない」

新人:「えっ~わたしなんて、今まで10回以上オーダーミスしていますよー」

瀧 :「俺の場合、本番で成功した経験がないからトラウマになっている。」

新人:「いつも瀧さんがフォローしてくれているから、これで済んでいるけど本当ならもっとミスしてますよ」

瀧 :「俺には水面下が似合ってるから」

その会話を聞いていた店長がいいました。

店長:「えー!今度の花火大会の日は忙しいから、オーダー業務お願いしようと思っていたのにぃ。」

瀧 :「他に出来る人間を育てます!」

それを聞いていたキャプテンが言いました。

キャプテン:「へぇ実務をしない人間がトレーナーって、おまえそれでいいと思っているのか?」

店長:「そうそう、どんなにラッシュになっても君だけはうろたえないよね、ラッシュになればキャプテンとの立場も逆転するような優秀な君がオーダーも取れないって非常に残念だよ!」

この店長は最近東京から来たばっかりだったので私の事情は知りませんでした。

マドンナ店員:「出来るのにやらないんだー、ふぅーん。いつ再デビューするのか、とても楽しみやったのにぃ」

このマドンナ店員は、文字通りこの店のマドンナ的な存在です。
私以外のほとんどの男が告白するような存在で、とてもきれいな人でした。
私はきれいだとは思っていたのですが、なぜかまったくトキメキがありませんでした。
マドンナ店員もそのことを知っていたようで、夜遅くなった時には必ず私を指名して家に送るように言われていました。
他の男たちも、私に関してだけは嫉妬することはありませんでした。
いや、本当に私は興味がありませんでしたからね。
マドンナ店員は、ほとんどの男がときめくような美人だったのは確かなのですが。
気のせいか、この人の言葉は私の心にグサグサ刺さるようでな物言いでどちらかというと嫌いでした。
ただ別の意味で、この人に文句を言われるのが誰に言われるよりも嫌だったので、変な意味で再度オーダー業務をするきっかけになってしまったのです。

リベンジ

さぁ「今日からオーダーとるぞぉー」と気合を入れて入店してみれば、いきなりラッシュが始まっていました。
ラッシュに入る前にオーダーの練習をしようと思っていましたが、現実は無情にも私がフロアに出た瞬間に手を挙げているお客さんと目が合ってしまいます。
すぐに誰かを呼ぼうとしましたがターミナルを持っている人間は少なく、私の手にはそのターミナルがしっかりと握られていました。
こんなに緊張することはめったにありません!ドキドキしながらリベンジオーダーを伺いに行きました。
マシンガンのような早口で連続して注文するお客さんに対して私は全く遅れることなくオーダーを打つことが出来ました。
自分でも驚きました。

だいたいの注文のパターンも知っていたので、お客さんが言う前に予測でボタンを打てるほど言われる注文よりも打つ方が早くなっていた自分に驚きました。
いつも教育していて、みんなが悩んでいたから対策も一緒に考えていたことで、知らない間にコツを掴んでいたようです。
リベンジのオーダーが早口で且つ、量も多かったので非常に緊張しましたが注文通りの料理が出てきました。
当たり前のことなのですが、私はすごく感動しました。
結局、私が最後にレストランを去るその日までオーダーミスをしたのは初めの3回のみでした。
私にも、はじめ何が起きていたのかわからないままでしたが、もしもあの時、あのまま諦めていたら私は失敗から何かを学んだにもかかわらず、それを気が付かないままでいたのかもしれないと思うと、今でも本当に良かったと思っている思い出の一つです。

どうでもいい豆知識

ファミレスでよく見る豪華なメニューはご存知だと思いますが、私のアルバイトしていたレストランにもグランドメニューと呼ばれる豪華なメニュー表がありました。
新メニューになるたびに一新されていましたが、1冊あたりの制作費はおよそ1万円もするそうですよ。
少なくとも半年に一度は一新されるので、個人経営でない限りいつもきれいですよね。
その他にも、このレストランでは面白いエピソードがあります。

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葉隠 瀧: このサイトを管理しているのが葉隠 瀧です。
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