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ゴキブリによる住居不法侵入事件 第5回


ゴキブリによる住居不法侵入事件 第4回までの記事で思いのほか反響もよく、いろんな問い合わせをいただきました。
第1~4回の記事では、ゴキブリ以外にもムカデやゲジゲジ、その他にコバエの話もでてきたこともあったのでしょうか、ゴキブリ以外の害虫にもホウ酸団子は効果があるのか?との問い合わせを多数いただきました。
また、キクイムシとシロアリとシバンムシに対しての個別の質問を受けましたので、4回で完結するシリーズでしたが、引き続き第5回の記事を投稿します。

第1回から読まれる方は、こちらかどうぞ→第1回

第2回から読まれる方は、こちらかどうぞ→第2回

第3回から読まれる方は、こちらかどうぞ→第3回

第4回から読まれる方は、こちらかどうぞ→第4回

ホウ酸で駆除できるしくみ

まずはコキブリ以外の害虫にホウ酸が効果を発揮するかどうかですが、それはホウ酸がどのように作用するかを見れば理解できると思いますので説明します。
ホウ酸が体内に入ると代謝に必要な補酵素とホウ酸が結合してしまうんです。
そのため体内の補酵素がなり、代謝することができずに代謝が停止することになります。
その結果、細胞そのものが餓死しついには死に至るわけ。
例えば人間だと一酸化炭素が体内に入った場合、体内に入った一酸化炭素は酸素と結合して二酸化炭素になろうとします。ゆえに体内の酸素が不足して死んだりします。
だから一定量の一酸化炭素が体内に入ると酸素が不足して人間でも即死します。

参考記事
【サイレントキラー】酸素濃度の低い空気を吸うと、即死することもある

つまりホウ酸は、腎臓を持たない昆虫であればすべてに効果があるといえます。
ただしホウ酸が昆虫の体内に入る必要があります。

善:「ん?でも、第2回では、ホウ酸がゴキブリの体に付着しただけで死ぬって言ってたぞ!」

瀧 :「ギクッ!

善:「ギクッ!ちゃうわ! 話に矛盾があるやなかい!」

確かに善ちゃんのツッコミは正しいです、でもゴキブリならそれでも死にます。
ゴキブリは、見かけによらず自分の体は清潔に保つ習性があります。

善:「猫じゃあるまいし、実家の猫やったらペロペロと体のあちこちを舐めて綺麗にしているのを見たことあるけどなぁ」

瀧 :「あぁ、それと一緒!」

善:「一緒にすなー!

善ちゃんは怒っていますが本当に一緒の行動をします。
なのでゴキブリの場合はホウ酸が体についただけでも自分でそれを舐めてしまいます。だから必ずホウ酸が体内に入るわけ。
ゴキブリのように体に触れただけで自然と体内に入る昆虫は珍しく、普通は直接舐めたり食べたりしない限りホウ酸が体内に入ることはありません。

ゴキブリ以外に効果を期待したい虫

ヒラタキクイムシ(通称:ラワン虫)

これも昆虫ですのでホウ酸は効果があります。
実被害が出ない間はホウ酸で予防線を張っておきたいものです。

建築材料のラワンに潜んでいることが多く建築業界では非常に恐れられています。

このような被害が実際に発生した場合はホウ酸で対応するのではなく、専用の殺虫剤を穴に入れて「シュー」っとしてください。
時間を置いて根気よく何度もスプレーしてください。
また、その周辺にタンスなどが壁に密着しているところがあれば一度動かして壁面を確認することをお勧めします。
専用の殺虫剤と記載しましたが、シロアリ用の殺虫剤がそれにあたります。
お世話になっている工務店さんに普段キクイムシに使用している殺虫剤を紹介していただきました。

シロアリ

ホウ酸はシロアリにも効果を発揮します。
ただし、シロアリに関しては予防ととらえてください。
目視してシロアリを見つけた場合は、ホウ酸などと悠長なことは言っていられません。
その場合は専用の駆除薬剤を使用するか業者に依頼することも検討してください。
ゴキブリとは違いシロアリに対応させるためには舐めさせなければいけません。
一番効率がいいのはホウ酸水。
ホウ酸水を気になる場所に霧吹きしておくといいでしょう。
霧吹きした部分をシロアリが食すると効果があります。
ホウ酸水の作り方は、後ほど説明しますが、市販品の駆除薬を購入するならホウ素系のシロアリ駆除薬がおすすめ。

シバンムシ


シバンムシにもホウ酸は効果を発揮します。
この虫は意外に害が少ないですし多くの家で良く見かけるのではないでしょうか。
ですが油断すると大量発生するから気持ち悪い。
コバエの感覚に似ているかもしれません。
あまり話題になりませんが、シバンムシは専門家の間でゴキブリよりも深刻度は高いと言われています。

【殺虫用】ホウ酸水の作り方

殺虫用なので濃度が濃いから殺虫以外には使用禁止です。
あえて【殺虫用】と記載しているのは、ホウ酸水は目薬にも使用することもあるから間違えないようにしていただくため。
小学校の理科で習ったと思いますが、ホウ酸は常温の水には溶けません。60℃以上のお湯150mlにホウ酸40gを溶かせば出来上がり。
これで濃度21%のホウ酸水が出来あがります。

ホウ酸(g) ÷ {お湯(ml) + ホウ酸(g) } =ホウ酸濃度(%)

ホウ酸水を霧吹きスプレーに入れて、気になるところに「シュッシュ」しておけば完璧。
ホウ酸の毒性は食塩と同じ程度ですので、人間にとってはまったく劇薬にはなりません。安心して使用することが出来ます。
市販品のホウ酸水は有機溶剤に溶かしていますので個人的にはお勧めしません。
有機溶媒は蒸発して有効成分の薬剤と共に床下空間を漂いますので、シロアリ以外の蜘蛛やハエなどの不快害虫も効果がある反面、有機溶媒は人間に対しての毒性が高くシックハウスの原因になることで有名。
守るはずのホウ酸水が自分を苦しめることになってしまっては本末転倒。

まとめ

いかがでしたでしょうか、ホウ酸を利用すれば広範囲の害虫に効果があります。
人間にとっては毒性も少なく安価で手に入りますので、お気軽に使用してみてはいかがでしょうか。
ゴキブリによる住居不法侵入事件はこれで完結となりました。
シリーズを全部読んでくれた人は、かなり知識がついたのではないでしょうか。
ちなみに、仙台や北海道などの北国ではゴキブリはいないようですね!


葉隠 瀧: このサイトを管理しているのが葉隠 瀧です。