カニスプーン
お店でカニを食べる時に出てくるのがカニスプーンです。
でもこれ、カニを食べる時に、そんなに役に立つように思いません。
そう思ったことはありませんか?
ですからカニの足には包丁で切込みを入れてあるのですが、外観を崩さないように上品な切込みを入れているので実際問題食べにくいにもほどがあります。
良心的なお店なら料理バサミを出してくれるところもありますがカニスプーンだけのお店が圧倒的に多いです。
カニは高額な料金を出す場合が多いのできれいに無駄なく食べたいですよね。
今回は特別な道具を使わずに、きれいに食べる方法を教えます。
この方法は、私がホテルマンだった時代にテーブルマナーの時の余談としてレクチャーしていました。
※その現場を上司に見つかって異常なほど起こられた記憶もあります。
結構好評だったので、もしかするとあなたの役に立つかもしれません。
カニは、カニに負ける!
カニは、外敵から身を守るために表面の赤い部分は非常に硬くなっているのです。
さらに、その中でも爪は一番硬くなっています。
その理由は、獲物を捕まえるための大切な武器だから強固になっていて当然です。
魚だって骨ごとざっくりとカットするほど、するどく硬い爪に出来上がっています。
ちなみに、内側の白い部分は外敵に狙われることが少ないので非常に柔らかいです。
カニはONとOFFをちゃんと切り分けていたんですね。
ポイントはココ。
特別な道具(料理バサミ)がなくてもカニの爪さえあれば綺麗に食べることができるのです。
もうわかりましたか?
この爪を料理バサミの代わりに使用するのです。
カニの部位で、最も硬いのなら、この爪があればどの部位もカットすることができるはずです。
カニの足を食べる時の使い方
もちろん料理バサミがある場合は、無理にカニの爪を使う必要はありません。
ただ、カニの爪でもこれから紹介する方法が使えます。
カニの爪を使って図の青い線の部分の2ヶ所をカットします。
次に、カットした足を手に取り、お皿の上で切った断面を上下に持ち勢いよく振りおろします。
すると「スポッ!」と綺麗に丸ごと身がお皿の上に飛び出しますから不思議。
これが一番綺麗に簡単に身が取れるのですが、この方法はテーブルマナーでは教えていませんでした。
「おいっ!」
おもわず、ツッコミを入れられそうですが、振り下ろす動作が美しくないためテーブルマナーとしてはアウトだと個人的に思っていましたので。
テーブルマナーでは、どのように教えていたのか?
足の部位に関しては爪は使用せずに手のみです。
カニの脚を食べるとスジがありますよね?
(図の黄色い線)
これは、関節を動かすための腱(けん)です。
腱は、間接側から出ていて、胴体とは繋がっていません。
なので間接側に近い部分でへし折ると腱に身がくっついてくるのです。
手で、図の青色の線部分をへし折ります。
ポイントは、へし折る部分と折り方です。
へし折る部分は図の青色の線部分よりも胴体側(真ん中)だと身が残ってしまうので、必ずここを守ってください。
でも端になると硬いのでへし折りにくいですよね。
折方にはコツがあります。
先ほど少し触れましたが、カニは外敵から身を守るために外側の赤くなったところが硬くなっています。
でも、内側から襲われることがすくないため白い部分は実は柔らかいのです。
なので白い部分を上にしてからへし折るようにしてください。
そして、力学的に効率の良い力点、支点、作用点を利用してへし折ると少ない力で綺麗に折れます。
折れれば、そのまま刀を抜くようにみがごっそりと出てきます。
折るのが難しければハサミ(爪)を使って、殻をかるくカットするのもいいかもしれません。
爪の部分は折れない!
いくら力点、支点、作用点を利用しても、手だけで爪の硬い部分をへし折ることは無理です。
でも、カニの爪ならこの部分だってカットすることができます。
爪をよく見ると力点、支点、作用点を利用している構造ですから、女性であっても割れますので安心してください。
善:「ちょっと、質問してもいい?」
瀧 :「あかん!」
善:「最後に残った爪はなにでカットすればいいの?」
瀧 :「その質問には、お答えすることができません!」
善:「おぉーぃ!」
瀧 :「爪はカットしているだけなので、爪としての機能は残っているから使えるよ」
善:「なーるほど!」
瀧 :「ということで、この技を再確認するために善ちゃん」
善:「なに?」
瀧 :「カニ食べに連れてって!」
善:「なんでやねん!」
まとめ
よく、カニを猛スピードで剥くカニ剥き名人がいますよね、よく見ると、今回紹介したような手順をうまく利用しているのがわかります。
名人はハサミ(爪)すら使いませんが・・・
この方法ならカニを食べに行っても無言にならずに済むのではないでしょうか。
これからは、きっと楽しくカニを食べることができますので楽しみですね。