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メッキ加工は自分でも出来る!


関連記事:黒染加工は自分でも出来る!これで鉄は錆びなくなります。

自転車の修理

自転車の修理をしていました。
自転車の修理というか、長期間放置してた自転車を再び使用することになったので、使えるように点検整備をしていました。
錆びた部品は、錆を落として磨き、錆びすぎてボロボロになったものは、新品の部品に交換したりします。
錆びは、木工用ボンドでも取れるけど、待つのが嫌だったから、必死にこすり取りました。
夏だったので、そのままだと蚊の餌食になるため工業用の扇風機を回していたので、涼しくて蚊にも刺されませんでした。

一生懸命ピカピカにしたので今度は錆がひどかった部品に塗装をしようと思いました。
でも、遊び心もあって、メッキをすることにしました。

「え、メッキって自分で出来るの?」

はいできます!
大きな部品は、たくさんのメッキ液が必要なので大変ですが、小さな部品なら、ペットボトル容器で簡単にメッキすることが出来ます。
思った以上に簡単だから、あなたもチャレンジしてみますか?
自由研究にも使えるような内容ですので、ぜひ参考にしてください。

準備するもの

ナイス(サンポールで代用可能)

ナイスとは、100円ショップによく売っているトイレ用の洗剤。
サンポールと言ったほうが、わかりやすいですが、塩酸濃度が約10%近くある酸性の洗剤のこと。
サンポールよりも、ナイスのほうが使い勝手がよいので、私はナイスをお勧めします。
下記には、認知度の高いサンポールを表示させています。
ナイスも良く似た容器ですので、すぐにわかります。

乾電池

つまり、1.2~3Vの電圧の出る直流電気があればOK。
仕上がりが良いのは、1.5Vあたりかと。

素材(メッキ材)

素材に出来るものは、さまざまですが、入手しやすい、スズ(錫)や銅を準備することをお勧めします。
スズ(錫)は、電気回路に使う、ハンダが スズ そのものです。
別に、亜鉛やニッケルでも構いません。
亜鉛は、マンガン乾電池を分解すれば取り出せます。
乾電池を分解したとき、外側の灰色の金属がマンガン。
ニッケルは、100円や500円硬貨がそうですが、お金を使うのは違法行為になりますので使用しないでください。
以後の説明で、メッキ材料は錫、銅、亜鉛、ニッケルと考えてください。

ペットボトル

2リットルなどの大きなものが使いやすいですが、500mlのペットボトルでも可能。
ペットボトルがなければ、ジャムのビン等でも代用できます。
つまり、プラスチックかガラスの容器であればなんでも良いわけです。

割り箸

割り箸でなくてもいいですが、棒がいります。
配線をメッキ液の上にぶら下げるための棒があればいいです。

ワニクリップ

メッキの方法

メッキ液の製作

まず、メッキ液を作ります。
ナイスなら、塩酸9.5%の洗剤。
このナイスを5倍に希釈します。
約2%の希塩酸を作るイメージ。
つまり、 1:4 にすればいいので、
ナイス 50cc なら、 水 200cc となります。
※メッキ材料がニッケルの場合のみ、1:3にしてください。
使用する容器に合わせてメッキ液の量を調整してください。
小さな部品であれば、少量のメッキ液で問題ありません。

部品の準備

部品には、油分が禁物なので、確実に洗剤で洗う必要があります。
指の油が付いていても、そこからメッキが剥がれることになりますので、洗浄後は直接、素手で触らないようにしてください。
部品は、水に濡れているままでも大丈夫ですから。
次は、いよいよ、電気に接続してメッキを開始します。

接続図


いつもながら、マウスで書いているので、大変汚くて申し訳ありませんが、イラストのほうが判りやすいと思うので、イラストにしています。
乾電池は、1個ですので、1.2~1.5V です。
電流にすると、100mAほど。
マイナス極に、メッキをしたい部品を挟み、メッキ液に完全に漬けます。
そのとき、掴んでいるワニクリップも一緒に漬けてもかまいません。
ただワニクリップもメッキされるだけですから。
プラス極には、メッキ液に溶かす金属を挟みますが、プラス側は、材料のみが液に浸かるようにしてください。
そうしないと、別の材料(ワニ口クリップの素材)がメッキされてしまいますので。
はじめは、銅やスズで試されると比較的簡単なのでおすすめ。
通電が始まると、プラス側の金属から泡が出てきます。
1.2~1.5Vなら、90分ぐらいを目安にしてください。
3Vなら45分ぐらいが目安。
電圧を上げるとメッキ時間は早くなりますが私の経験上、低い電圧で長くするほうが成功率は高いです。
出来上がると、部品の色がほんのり変わりますので、じっくりとご確認ください。

メッキが終わった状態を見ると、意外にも曇って汚れているように見えます。
初めての人は「失敗した!」と思うかもしれませんが、磨けばピカピカになりますので安心してください。
酸性の液体が残っていると良くないので、水道水で十分に中和させてます。

そして、本来ここからバフといった、磨きの工程があります。
きれいに見せるための、メッキであれば、バフで磨けばピカピカに光ります。
でも、普通の家庭にバフなんてありませんから、ブルーマジックなどで磨いてみてください。
おどろくほどきれいに仕上がります。

原理の説明

ネジ部品に銅メッキをするとします。
酸性の液体に、銅が溶けて銅イオンになりメッキ液の中に溶け出します。
電気を流すと、マイナス極に部品表面にマイナス電子が並びます。

そのうち、メッキ液に溶解している銅イオンがマイナス電子に向かって移動します。

銅イオンが部品表面で電子と結合してメタル化します。
この繰り返しにより、メッキ皮膜が形成されます。
出来るだけ簡単に説明していますので、不正確な表現もありますが、わかりやすさを重視しています。

メッキ液の破棄方法

そのまま破棄するのではなく、中和させるのがよいでしょう。
酸性の塩酸を中和するには、アルカリ性のものを混ぜる必要があります。
例えば、重曹はアルカリ性ですので、これを使ってみます。

化学式:NaHCO3+HCl→NaCl+H2O+CO2
NaHCO3(重曹)+ HCl(塩酸)= NaCl+H2O+CO2(塩・水・二酸化炭素)

すいません、化学式なんてどうでもよさそうですが、自由研究ならネタとしてご利用ください。
メッキ液を 60cc で 重曹1グラム 投入すれば 2%の塩酸なら中和することが出来ます。

問題は次です。
中和されて安全になっていますが、金属が溶解した液体ですのでどうすればいいのか?
ほんとに微量なので・・・トイレとかに・・・
トイレに流すなら、中和しなくてもいいような・・・だってサンポールだから・・・
量が少ないだけに、業者に依頼するほどのものではありません。
例えば、セメントに混ぜて、固めてから捨てることが出来そうですが、このあたりの判断は微妙。
私は、産業廃棄物を定期的に捨てていますので、一緒に処理していますが、個人なら役所にお問い合わせするほうがいいのかもしれません。

さいごに

鉄を錆びなくさせる目的なら、黒染め加工もお手軽でお勧めです。
仕上がりが違うので、用途や好みに合わせて行うと良いでしょう。
参考記事:黒染加工は自分でも出来る!これで鉄は錆びなくなります。


葉隠 瀧: このサイトを管理しているのが葉隠 瀧です。

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  • 貴殿様のページ拝見させて頂きました。
    当方ビンテージバイクを所有しており、メン手の関係で小さな小物から結構大きなものまで全て業者にメッキ依頼しておりまして
    強烈な高額な請求に悩まされておりました。
    ただ素人がメッキなど出来るはずが無いと決め込んでいた自分が本当に恥ずかしい限りです。
    貴殿様のページを見て俄然やる気満々になったのは言うまでもありません。
    そこで質問なのですが、メッキを掛ける際、例えば大物(バイクのエンジンガード)などをメッキする際、掛ける電圧はやはり大容量にすれば良いのでしょうか?
    例えば、メッキ液を200リットル(風呂おけ1杯)位でメッキを掛ける場合など乾電池じゃ駄目でその場合、ボルトは買えずに
    充電式の乾電池を取り替えながら長い時間漬けるのか、ボルトを上げて短時間で仕上げるのかが分かりません。
    お手すきの時で構いませんので教えてください。
    もし成功した暁には当方北海道ですので、何か美味しい物でも送らせていただきたす存じます。

    • 記事をご覧いただきましてありがとうございます。
      北海道の食べ物はほんとにおいしいので魅力的ですが、お気遣いは無用です。
      電圧を上げれば、時間は短く出来ますが、慣れるまでは1.5Vがいいのではないでしょうか。
      ただ、大きさにもよりますが、大きすぎると本当に時間がかかりますので、3Vぐらいでもいいのかもしれません。
      大きいものなら、気をつけないといけないポイントが他にあります。
      それは、プラス側の材料は、距離が近ければ近い部分が厚みのあるメッキに仕上がります。
      なので、マイナス側の部品をたまに移動させるか、プラス側の材料の位置を変えるなど、メッキの厚みが均等になるように気をつけるのがいいかと思います。
      一番難易度が低いのが錫メッキですので、小さな部品で練習したほうがいいかもしれません。
      もしも上手に出来たら、写真をいただけるとうれしいです。
      よろしければ記事に追記いたします。
      上手く回答できていなければ、再度質問いただければもう一度回答いたします。

  • はじめまして
    1つ教えて下さい。
    ボルトにメッキしようと考えていますが、そのボルトは、付けたり外したりします。
    スズの材料のハンダを使用しようと思いますが、ハンダの状態の時は柔らかいです。
    メッキしてから、ボルトを付けたり外したりすると簡単に剥がれてしまわないでしょうか?
    他に丈夫なメッキの素材はありますでしょうか?
    素人なもので変な質問かも知れませんが、よろしくお願いします。

    • 確かに、ボルトに錫メッキだとすぐに剥がれると思います。
      何度も取り外しするなら、メッキをしなくてもいいと思うのですが?
      通常はグリスを塗っておけば、錆びないし取り外しもしやすくなると思うのですが・・・。
      メッキで対応するなら、ニッケルやクロムがいいかと思います。
      ニッケルは少し難易度があがるので、銅とかなら錫と同じく簡単だから、どっちかというと銅がいいかもしれませんが・・・あまり変わらないかもしれません。

  • ありがとうございました。
    ニッケルで挑戦してみます。
    一度やってみて、擦って2度かけてみようと思います。
    また結果ご報告させて頂きます。

  • トムさん、こんにちは
    ニッケルでしたら、記事にも書いていますが、希塩酸の濃度を少し濃いくしてみてくださいね。
    手間ですが、時間をかければ成功率が高くなりますので、焦らず気長に挑戦してみてください。
    成功を祈っています。
    結果報告いただければ、他の方の参考にもなるかと思いますので、楽しみにしています。

  • こんにちは
    ネジのニッケルメッキで成功しました!
    言われた通り、3倍の希釈で、コンバータで1.5V
    (60分かけて、ワイヤーブラシで黒いスス?を取り除き)を2回繰り返し、
    最後は、90分かけました!
    合計3回やったので、しっかりメッキされました!ありがとうございました(^。^)

    • トムさん、結果報告ありがとうございました。
      これで、いつでもメッキすることができますね、この記事でお役に立つことができたなんて、とても嬉しい事です。
      他の記事でも、不明点があれば、いつでもコメントお待ちしています。

  • 最後は金属磨きの液体で、使い捨てウエスで磨いたら、ピカピカになりました!

    • トムさん、結果報告の続編をありがとうございました。
      メッキは、最後に磨かないと「ん?」って感じになっています。
      磨いてピカピカになったなら、大成功ですね、おめでとうございます。
      私も嬉しく思っています。