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三相交流が理解できる話


三相交流

家庭のコンセントは2本の電線で、大地につながっている電位がゼロのアース線と、100Vの電位のある電線がある話は家庭用コンセントは感電するの記事で紹介しましたが、これを「単相交流」と呼びます。
工場などでは、家庭用のコンセントとは違い3本の電線から構成される「三相交流」と呼ばれる電気があります。
工場にある、様々な回転機器に使われている三相モータを動かすには、三相交流が必要なんです。
三相交流は誘導電動機の始動が容易なため工場にある回転機器には広く使用されています。
また、電力輸送に便利な電線ですので、送電線は三相交流となっているのが一般的。
家庭用の電線とは違い、3本共に電位がありますので、どの線でも単独で触れただけで感電します。
ということは・・・

三相交流とは、3組の単相交流から出来ていることになります。
ならば、電線は、1組に2本要るので、合計6本の電線が必要なのでは?
でも、実際には半分の3本しか存在していません。

三相交流の電線が3本で成立する理由

まず、6本で三相交流の電気を流すことを考えると、6本のうち3本の電線はいずれも電位がゼロで大地につながっている電線のはず。
だから、この3本を1本にまとめてしまっても全く問題ありません。
この段階で、電線は4本になりました。
ここまでは、簡単。

しかし、発電所からは大電流を送電しますので、太い電線が日本中に張り巡らされることになります。
送電線が4本のままでは、そのコストは非常に大きくなり、効率が悪い。
やっぱり、4本ではなく、3本にしたいわけです。
どうするか?

オシロスコープで、三相交流を見てみるとこのようになっています。


ある瞬間の電気の電気が流れる様子を見てみます。
(どこでも条件は同じ。)

例えば、ポイントAを見てみるとこのような割合になっていました。
Tの電線:-13
Sの電線:+5
Rの電線:+8
この瞬間(ポイントA)は、13(S+R) → -13(T)の電位差により、電気が流れます。

これは、どの瞬間を見ても同じように電位差があり、3本の線だけで電位差を作り出すことが出来ています。
このことから、電位ゼロの電線がなくても電気は流れることが可能だと判ります。

補足情報

勘違いする人がたまにいるので、補足情報です。
電信柱から自宅に届いている送電線を見ると、3本あると思いますが、これは三相交流ではありません。
これは、単相3線式と呼ばれる電線で、途中で変圧されている線。
単相交流電力を3本の電線・ケーブルを用いて供給する低圧配電方式。
50kVA以下の配電線・引込み線、短距離の構内幹線などでは多く使用されています。
単相3線式で受電する家屋では屋内に設置する分電盤も単相3線式で構成されています。
このため、旧来の商用電源電圧である100Vに加え200Vを容易に取り出すことができています。
ですので、200Vエアコンは電圧切り替えすることで使用することが出来ます。

選べるなら

100Vエアコンよりも200Vエアコンの方が効率もよく、電気代が安くなるケースも多いので、絶対にリビングなどのエアコンの新設では200Vをおすすめします。


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