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プルタブ集めは必要ないって話


前回の記事冒頭で、小学生の会話でもあったように、ペットボトルのキャップと同様にプルタブの事にも触れておきます。
関連記事:『エコキャップ運動』は本当にエコなのか?
もうすぐ平成が終わろうとしている時代にも関わらず、昭和時代の習慣が根強く残っています。
プルタブがなくなってから30年も経過しているのに・・・
この文化は次の世代に引き継ぎたくありませんので記事にします。

ステイオンタブ

「プルタブ」と言っていますが、そもそも「プルタブ」なんて、平成になってからは、作られなくなったはずだから、遠い昔の昭和時代の産物です。
今の缶は、缶の本体にタブが付いたままの「ステイオンタブ」と呼ばれるものです。
「プルタブ」とは、缶の本体からタブが完全に切り離れるタイプのタブのことで、レトロなものを扱っている場所以外では見ることもありません。
私もこの切り離されたタブを踏んで、足を切って大怪我をした記憶がありますが、行儀が悪いことに、このプルタブをポイ捨てする人がとても多かったんです。

散乱公害

プルタブは飲むときに必要ないため、外したらすぐにポイ捨てされるようになりました。
そして、プルタブのポイ捨てにより、野鳥の胃袋からプルタブが大量に発見されたり、タヌキやキツネがプルタブを飲み込んだことにより死亡してしまったり、私のように海岸で足を切って怪我をするような被害が社会問題になりました。
昭和時代の当時はこれを「散乱公害」と呼んでいました。

プルタブが車椅子に変わる

散乱公害を解決するために昭和58年(1983年)、さだまさしさんがラジオ番組の中でプルタブをハガキに貼り付けて送ってほしいと呼びかけたところ、リスナーから大量のプルタブが寄せられました。
この時集まったプルタブを、金属回収業者に売却して得た売却益で、車椅子を2台購入して病院に寄付しました。
この出来事がきっかけで、缶のプルタブを集めると車椅子に換えることができるという話が日本中に広まりました。
大きな目的は、散乱公害を解決することであって、車椅子は副産物だったんです。

タブだけ回収するメリットが少ない

昭和時代のプルタブ回収には「散乱公害」を解決する大きな理由がありました。
今でもそれは同じで、もしもプルタブがあるのなら、散乱公害が発生しないように回収する必要があります。
でも、今や「ステイオンタブ」が主流になり始めて30年も経過しているので、プルタブなんてまず見ることがありません。
今の時代に、ステイオンタブだけを集めるメリットを考えると、洗浄の必要がないことと、かさばらないことの2点しか思い当たりません。
スチール缶のステイオンタブはアルミが多いから、分別メリットがあると思われそうですが、残念ながらそれもありません。
タブには、アルミとスチールが混在しているので、知識がなければ見分けることができません。
それに、アルミとスチールは、溶かしたときに比重が全然違うから、簡単に分けることができるから、回収するときに分けなくても大丈夫です。
ただ、売るときを考えて、アルミだけに絞ったほうが効率がいいです。
アルミ缶には「アルミ」って書いてますが、タブだけではわからなくなります。

売却益の計算してみる

地域にもよりますが、金属回収業者は今のところ至る所にあります。
よく自転車に山のように積んで運んでいる様子をみると、自分で持ち込める範囲に金属回収業者はありそうです。
スーパーでダンボール箱をもらってくれば、容器の費用は0円
ビールなどのアルミ缶(350ml)の重量は1.58g
ステイオンタブの重量は0.4g
比較計算すると39.5倍で約40倍です。
アルミ1kgの売却益は約100円。
アルミ缶の本体ごと集めれば633個

1000g ÷ 1.58g = 632.9

ステイオンタブだけを集めれば、2500個

1000g ÷ 0.4g = 2500

普通に見れば、いちいちステイオンタブだけをとる必要はないと思います。
あえて言うと、潰すのが手間になるかもしれませんが、道具を使えば、簡単に潰せそうです。

これをみると、ペットボトルキャップのマイナス益と比較したら、まだマシです。
関連記事:『エコキャップ運動』は本当にエコなのか?

さいごに

『エコキャップ運動』(ペットボトルのキャップ)にくれべれば、採算性はあります。
ただ、ステイオンタブだけを取り外して集めるより、缶の本体ごと回収した方が断然効率がいい。
でも、空き缶を633個集めて、たった100円ですから、おそろしいほど効率が悪いことは間違いありません。
そもそろ、「散乱公害」からはじまったものですが、今となってはその必要性もありません。
「それって、どれだけの効果があるの?」なんて小さな疑問を持って、なんでも理解して行動した方がいいと思います。
本当に、意味のある活動とは、ワンクリック募金のようなことなのかもしれません:クリックするだけで救える命があります。


葉隠 瀧: このサイトを管理しているのが葉隠 瀧です。
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