書類紛失
さっきの書類が見当たらない!
学生時代のある日、西くんと解体屋めぐりをしていました。
私はお目当てのバイク部品を数点見つけ、値段も言い値の25%ほどの値段で買い付けし、さっそく西くんの自宅前で部品の交換をしていました。
西くんは、なにも入手してなかったので、その間は部屋で電車の写真を整理していました。
西くんの家は、とにかく壁が薄いので外にいるだけで家の様子が手に取るようにわかる状態の家でした。
どれだけ薄いかと言うと、高校生が家の外からパンチをしただけで家の中まで腕が貫通します。
それは、西くんが彼女に振られた夜に私たちの目の前で実際に起きた出来事だったんです。
私は、部品交換している最中に聞こえてくる、西くんの家の様子を盗み聞きしながら作業していました。
西くん兄:「お前が学校に提出する書類は、俺が書いてやったから、ちゃんと持っとけよ。」
西くん:「お兄ちゃん、ありがとう」
3分後
西くん兄:「ごめん、さっき渡した書類やけど、書くの忘れてるとこがあるから追記させて」
西くん:「あれ、どこいったんかな?・・・書類が見当たらん・・・」
西くん兄:「ちょっとコンビニ行ってくるからちゃんと探しとけよ!」
西くん:「うっうん!」
西くんは、兄が怖かったので書類を必死に探しました。
必死に探しますが全く見つかりません。
西くんの身体から大量の汗が噴き出しています。
それを見かねたお母さんがキッチンから来ました。
お母さんが探し物に参加
母:「全然見つからないね、ちょっと2階も見てくる」
全然見つからないからって、お母さんが2階に探しに行きました。
私は書類を預かった西くんが一歩も動いていないのを知っていたので、そんなことして意味あるのかなぁって思って聞いていました。
お母さんが2階に行っている間にお父さんが来ました。
必死に探し物をする西くんを見て・・・
お父さんも探し物に参戦
父:「一応、外も見てみるわ」
全く意味を分かっていないんでしょうね、お父さんは外を探すと言いながらお父さんが、私のいるところに飛び出してきました。
私は「絶対に外には無いと思う」と言いたかったけど、言えば盗み聞きしていると思われるのも嫌だったので、軽く挨拶だけ済ませました。
善ちゃん登場
そうこうしているうちに善ちゃんが西くん宅に遊びに来ました。
私はバイクを触っていたので私には声を掛けず西くんに声を掛けました。
家の中で必死で探し物をしている西くんに声を掛けます。
善:「なにしてるん?」
西くん:「見つけないと叩かれる」
善:「俺も一緒に探そうか?」
善ちゃんは、なぜそう思ったのかわかりませんが勝手にバイクの鍵だと思ったそうな。
そして必死に善ちゃんは鍵を探しはじめまていました。
外を探していたお父さんが戻ってきたと同時にお母さんも1階に降りてきました。
お父さんとお母さんが話しています。
父:「どこにもないな、こんな時は意外な場所にあったりするけどな。」
母:「それは、どこよ」
父:「キッチンとか?」
それを聞いた両親はキッチンに向かった。
私は外でそれを聞いていて、確かお母さんに限っては、はじめキッチンから来たんじゃないのか?と思った。
キッチンを探しているお父さんが、冷蔵庫のビールがなくなっていることに気付く。
父:「お母さん、ビールがなくなってるよ」
母:「いいえ、どこかにあるはずよ」
両親は、ついにビールを探し始めました。
そんなやりとりに気を取られたせいか、私はスパナと言う工具を見失ってしまいました。
そうこうしていると、お兄ちゃんがコンビニから帰ってきました。
必死で探し物をしているみんなに、お兄ちゃんが言いました。
「みんな、いったい何を探してるの?」
瀧 :「スパナです。」
善:「バイクの鍵です。」
母:「ビール」
父:「チューハイ」
母:「あなたはビールを探していたでしょ!」
父:「諦めてチューハイ探してたんや」
みんなの違うそれぞれの探し物を聞いて、みんなが初めて目を合わしました。
「自分たちは、いったい何を探していたのか?」
そして、お兄ちゃんは西くんに言います。
兄:「おまえは書類は見つけたのか?」
西くん:「ちょっと別の探し物してて」
兄:「それは、何?」
西くん:「扇風機のリモコン」
当の本人が、本来の探し物をしていないといった事実まで発覚しました。
お兄ちゃんがよく見ると書類は西くんのすぐ目の前に落ちていました。
それに、そもそも扇風機のリモコンなんて、はじめから存在もしていなかったことも後から判明した。
善:「おまえ、ボケかー!」
ハサミさんにお願い
探し物といえば「ハサミさん」です。
なんでも、なくした物をハサミさんにお願いすれば探し物が見つかるすごい裏技です。
先ほど西くんのお父さんが言っていましたが、探し物は意外なところから出てくるもの。
だから、固定概念をなくす必要があります。
さっきの探し物騒動でもそうでしたが、固定概念を外しすぎて大変なことになっていましたね。
そこまでする必要はなくて、ほんの少しだけ観点をずらせばいいのです。
この時に「ハサミさん」は使えます。
使い方はとっても簡単
「ハサミさんハサミさん、私の大切な書類はどこにありますか?教えてください!」
これだけ。
こうやって、ハサミさんに探し物をお願いすることで自分で探すのを一旦やめる事ができます。
でも、やっぱりハサミさんは探し者を持ってきてくれないので再び自分で探し始めます。
再び探し始めた自分は、頭の中が整理されているので的確に探し物ができる状態になっているといいます。
さいごに
今日、無くなるはずのない物が目の前から一瞬で消えた出来事がありました。
まるで異次元にでも言ってしまったのだろうか?と思うほど。
余りにも不思議でした。
最終的には見つかったのですが、本当になかなか見つからずに困っていました。
そんな時、昔にあったおもしろかったエピソードを思い出しましたので記事にしました。
あまり内容がありませんが、少しでも笑ってもらえれば幸いです。