履きなれた靴
履き慣れた靴って履き心地がすごく良くないですか。
だってこれ、自分の足に完全に馴染んじゃっているからですね。
ボロボロになった捨てる前の靴が一番履き心地がよかったりするので、私は靴を捨てる時すごくためらってしまいます。
新品の靴が履き慣れるまでの間や、靴ずれになる靴や、一部タイトな部分のある靴って履き心地悪いですよね。
場合によっては、新品でも捨ててしまおうか悩んだりする靴もあったりします。
これらの靴は、なにか即効性のある改善方法はないものでしょうか。
ボロボロになるまで履いた靴
寿命をまっとうした靴をみると驚くほどに自分の足にフィットしています。
これは、履いているうちに自分の体温や汗の湿気なども加わり、自分のむくんだ足で成形している・・・そう靴を製造する時の仕上げ工程のような環境を自然に再現し続けているからです。
この工程を繰り返しているうちに絶妙なフィット感を生み出していたわけです。
ならばフィット感のない履き心地の悪い捨てようと考えていた靴もこの工程を早送りで再現できれば、なんとか履ける靴に生まれ変わるのではないのか?
私のそんな疑問を4年間も兵庫県の長田で靴を作っていた善ちゃんに聞きました。
靴は伸びる!
瀧 :「西くんに聞こうとおもったけど善ちゃんでいいから教えて」
善:「何のことか知らんけど西くんと俺を比較するのはやめろ!」
瀧 :「靴の事やねんけどなぁ。」
善:「確かに西くんも俺と同じ時期に靴をつくってたなぁ。あいつの説明は絶対におまえには理解できないと思うよ。」
瀧 :「意外にもこんな身近に靴職人が居たことを思い出したんですよ。」
善:「昔の話やけど今でもやれって言われたら自身あるよ。で、聞きたいことは何?」
瀧 :「新品の靴って、履き慣れた靴のように多少サイズ変更出来たりする?」
善:「できるよ!それも簡単にな。」
瀧 :「マッマジで!」
善:「靴の仕上げ工程では、靴を足型に履かせて、熱風を当てながら伸ばして成形するねん。」
瀧 :「なぜ伸ばすの?はじめからそのサイズで作ればいいのに?」
善:「少し小さめに作っておいて硬い足型に無理やり履かせてバンバン叩いて伸ばしたら綺麗に成形できるから」
瀧 :「それって、どの靴にも多少の伸び代が残ってるって事?」
善:「その通り! だからドライヤーで靴のタイトな部分や靴ずれが起きる場所を温めて靴下を履いた足で履いて少し歩く。」
瀧 :「それから?」
善:「さすがに、一回ではジャストフィットしないと思うから、それを何度か繰り返せばいいよ」
瀧 :「何度も!」
善:「そう何度も繰り返す」
瀧 :「それが善ちゃんの言う『簡単にな』ですか!?」
善:「やかましいわ!」
まとめ
準備する物はドライヤーです。
頑丈な靴なら強力なヒートガンが必要かもしれません。
そんな時は、こんな強力な温風の出る道具もありますので参考にしてください。
ヒートガンは車の板金屋さんでも使用する道具です。
これを使えば凹んだウレタンバンパーでも簡単に修復できる強者です。
形はドライヤーそっくりですがヒートガンといい、ドライヤー以上の温風が出るので取扱注意です。
今回は靴だから髪に使用するドライヤーで問題ないようです。
火傷しないようにすることと、最終的な適正サイズに矯正するために靴下を履いた足で靴を履き歩いてみます。
軽度なら1回で効果がありますが、捨てようか迷うほどフィットしない靴なら数回おこなうことでフィットするようになるようです。
プロ用(ヒートガン)
実証確認
ちょうど一か所痛くて、なかなか履かない靴があったので試してみました。
こんなことがあるので靴は大きいサイズを買うようにしていましたが、この技が使えるものなら、もっと攻めた靴の買い方でも問題ないってことになります。
私が試した靴は皮靴です。
一箇所痛いところがあって、下手したら靴ずれもするから、ほとんど履いていませんでした。
皮なのでヒートガンを使いました。
善ちゃんは何度も問いっていましたが1回で完璧な履き心地になりました。
もしかすると後ちょっとのことだったのか?ヒートガンが良かったのか?良くわかりませんが感激しました。
あまり愛着がなかったので勢いよくやりました。
結果的に何が良かったのかわかりませんでしたが、うまくいきました。
運動靴なら、もっと簡単に出来そうな気がしましたので、これからトライしてみようと思います。