考え方

パラドックスを解決してみる

抜き打ちテストのパラドックス

パラドックスとは、矛盾、逆説、ジレンマっていう意味のこと。
正確に表すと、かなり広い意味になりますが「見かけ上の真偽」と「実際の真偽」が逆転してる説のことをパラドックスと呼んでいます。
世の中には、色んなパラドックスがあって「シュレディンガーの猫」は有名です。
今回は「抜き打ちテストのパラドックス」を解明してみようと思います。
抜き打ちテストのパラドックスだけでも面白いので是非読んでみて欲しいです。

パラドックスは解決できる

パラドックスは解決しようと思えば、実はできます。
パラドックスを解決しようと考えるだけでも高度な話なのですが、今回は「抜き打ちテストのパラドックス」を解決してみようという記事です。

抜き打ちテストのパラドックスとは

ある日曜日の夕方に、学校の先生から生徒Aに電話連絡がありました。
電話の内容は「抜き打ちテストを行うことが決まりました。明日の月曜から今週末の金曜のうち、あなた(生徒A)には予測できない曜日に抜き打ちテスト実施します」

・月曜から金曜のどれか
・予測できない曜日に抜き打ちテストを実施する。

急な抜き打ちテストの連絡に怯えながら、生徒Aは抜き打ちテストの曜日を考えた。
抜き打ちテストの候補は月曜から金曜日まで5通りもある。
これじゃぁヒントが少なすぎて予測できないと考えた。
生徒Aは、せめて最後の金曜日であって欲しいと祈りました。
その夜、ベッドに横になりながら木曜日の自分を想像していた…

そこで大変なことに気が付いた!

生徒A:「よく考えてみたら金曜日の抜き打ちテストはありえない!」
なぜなら、金曜日が抜き打ちテストだとすると、木曜日まで抜き打ちテストがなかったら、金曜日が抜き打ちテストだと予測できてしまう。
つまり、先生が言っていた「予測できない曜日に抜き打ちテストを実施する」という条件と矛盾する。
そうなれば、候補日は5通りから4通りになる。
生徒Aは、1日損した気分になりました…
そして、せめてテストが木曜日になって欲しいと祈ろうと思った瞬間、木曜日もありえないことに気が付いた!
だって、水曜までテストが実施されてなかったら木曜日だと予測できてしまうから。
こうなってくると、水曜日のテストもありえないのでは?と考えはじめた。
火曜日までテストが実施されなかったら、木曜と金曜のテストがありえないとわかっている以上、水曜日にテストが実施されると予測できてしまうからだ。
同じ考え方で、火曜のテストもありえなくなって、残るのは月曜日の1日しかなくなります。
つまり、テストは明日ってことになって、1日しか猶予がないってことになってしまう。
がっくりうなだれた生徒Aは、また大変なことに気づいてしまう。

これでは、テストが月曜日だと予測できてしまうことに!

そして、生徒Aが導き出した結論は「抜き打ちテストはない」となりました。
抜き打ちテストがないことを確信した生徒Aは大喜びして次の月曜日の朝、抜き打ちテストからすっかり逃げ切って、とても気持ちよくさっぱり目覚めることができた。
そして学校に登校すると…

抜き打ちテストは実施された!

これには生徒Aはビックリして先生に抗議します。
生徒A:「月曜にテストが実施されるのはあり得ない、予測できない曜日に抜き打ちテストを実施するという話は嘘だったのか!」
これを聞いた先生はにやりと笑って…
先生:「嘘じゃない。だって今日テストが実施されると予測できなかったでしょ?」

前提条件を整理

テスト実施日を決める事項は3つ

1.テスト実施日は月曜から金曜のいずれか1日
2.実施日は生徒Aが予測できない曜日に実施される
3.この2つの条件を生徒Aに事前に告知している

ここで大切なのは3つ目の事前に告知しているという条件
例えば、1つ目のいずれか1日って条件だけだと、この問題はシンプルで簡単です。
これだと、金曜日以外のどれか1日になるってことになります。
だって、金曜日にテスト実施する可能性を最後まで排除できないし、あらかじめ知ることもできないから。
しかし、このパラドックスでは、2つ目の予測できない曜日っていう条件が生徒Aに告知されてしまっている。
これが話を難しくしている原因なんです。
生徒Aの推測も正しくて、先生の言っていることも間違いではない。
二人の意見は矛盾しているのに、どっちも正しいことになっているのが変です。
全ての曜日でテストが実施されないという結論になれば、逆にどの曜日にテストが実施されるかわからなくなってしまいます。

解明編

生徒Aの考えは本当に正しいのか?
金曜日がテストだとすると、月曜から木曜までテストが実施されないことになるので、木曜の夜の時点で金曜日がテスト実施日だと予測できてしまう。
これだと、2.の予測できない曜日って言う条件と矛盾するから金曜日のテストはないと生徒Aは考えていました。
ここまでは正しいです。

ここからが肝で少し難しい話になります。

テスト実施日は曜日ごとにその時点で、どの曜日に行われるのかわからないもの

でも、テスト実施日が木曜だと仮定した時、さっき金曜日で仮定したときに導き出した結論「金曜日にテストは実施されない」っていうのも合わせて考えて「木曜と金曜にテストの実施はありえない」って導き出したのが生徒Aの間違いだったんです。
なぜなら、テスト実施が金曜日だった場合っていう仮定と、木曜日だった場合っていう仮定は両立しないからです。

もしテスト実施が金曜だったら
もしテスト実施が木曜だったら
→両立しない

木曜日と金曜日両方にテスト実施されるなんて、それこそありえない。
生徒Aの考えは、別の仮定で導いた結論を、そのまま別の仮定に使い続けている点でパラドックスを生んでしまっているんです。
一見すると、この矛盾に気が付かないから頭が変になりそうになるんです。
そもそも、テスト実施日っていうのは「先生が宣言した時点でどの曜日に実施されるかわからないもの」っていう意味だから、予測すること自体が不可能だったんです。

先生の言うことを信じない場合

実は、先生の言うことを信じるか信じないかで話は変わります。
先生の話を信じた場合は、先ほどまで説明している通りの結論でパラドックスが生じる結論になります。
問題は、先生の話を信じない場合、生徒Aは先生が話した1つ目の「月曜から金曜のいずれかの日に必ずテストを実施する」っていう話か、2つ目の「生徒Aが予測できる日にはテストを実施しない」っていう話のどちらかを疑うことになります。
さきほどまでの話は、生徒Aが2つ目の話が本当だって信じたから1つ目の話は嘘だ!っていう結論を出していました。
この話には、そもそも矛盾があって、この2つの話が両立しないとしても、どちらの話も片方だけなら起こりうる話になります。
でも、どちらが実際に起こることなのかは生徒Aには予測できない。
そうなると、先生がいつテストを実施したとしても、生徒Aにとっては「予測不可能なテストの実施」が行われたってことになります。
つまり、先生の話のどちらかを疑う場合、パラドックスは起きないんです。

さいごに

抜き打ちテストのパラドックスが起きてしまうのは、先生が話した2つの条件を生徒Aが信じたときだけでした。
この2つの条件のそれぞれ、どちらかだけだったら、別にパラドックスが発生しうるものではないってことなんです。
少し難しい話になりましたが、なんとなくでも理解してくれれば幸いです。

パラドックスというのは、実はたくさんあって、「親殺しのパラドックス」みたいな物騒な話もあります。
ある不仲な親子がいて、その子供がタイムマシーンで過去に戻って、自分の親を殺してしまう。
親となるはずの人物が死んでしまったら、子供も生まれないことになります。
でも、子供が生まれなければ、タイムトラベルすることもない。
つまり、親は子供に殺されないが子供は生まれる。
子供が生まれたら、タイムトラベルで親を殺すと言うパラドックスが生じる。
実はこれも解明できるのですが、今回はここまでにしておきます。

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