環境は自分次第
環境は自分次第、人生も自分次第と教えてくれている寓話があります。
よく聞く物語ですが、知らない方はまず一読を・・・
ある町の入り口に一人の老人が座っていた。 そこに、よその町から一人の若者がやって来た。
若者は老人に尋ねた。「この町はどんな町ですか?… どんな人たちが住んでいますか?」
老人 「君はどんな町からやって来たのかね?」
若者 「僕がいた町は、利己的で悪賢い人が多かった。 安心して住めない、ひどい町でした」
老人 「この町も同じようなものじゃよ」
若者は疑いの目で老人を見ると、町に入っていった。
そして間もなく、老人が言ったとおりの町であることを知った。そのしばらく後、別の若者がやって来て、老人に尋ねた。
「この町はどんな町ですか? どんな人たちが住んでいますか?」
「君はどんな町からやって来たのかね?」
僕がいた町は、やさしくて親切な人が多かった。 とても住みやすい、素敵な町でした」
「この町も同じようなものじゃよ」 若者は老人にお辞儀をすると、町に入っていった。
そして間もなく、老人が言ったとおりの町であることを知った。
ブッダ真理のことば第一章の第一
お釈迦さまのことば、ブッダ真理のことば第一章の第一でも次のように書かれています。
「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によって作り出される。」
私たちはものごとをありのままには見ていません。
事実と真実の違い
瀧 :「なぁ、善ちゃん・・・いいかげん自白したらどう? 今日のエアコン工事で事故あったやろぉ?」
善:「いっいいや・・・ 俺はエアコン工事中に、電柱に顔面をめっちゃ強打したりしてないよ・・・ ちょっと電柱に顔が触れたかもしれんけどな。」
瀧 :「どこが違うの? 事故でしょ? お客さんからクレームなかったん? 正直に話してもたぶんクレームにはならない事故だったと思うよ。」
善:「いちいち言わなくてもいいやて・・・ 俺が作業に集中しすぎてて、すぐ横にあった電柱の存在を忘れてて、振り返った瞬間、全力で電柱に顔を強打したところなんて誰にも見られてないし。」
瀧 :「まぁ、たしかに・・・」
善:「それに俺は、この事を誰にも言っていないから、俺が電柱に顔面を強打した事実は存在しないねん!」
瀧 :「はぁ~、それで?」
善:「近所でも『エアコン工事してるおっさんが、電柱に思いっきり顔面を強打して鼻血だしながら、泣くのを我慢して作業を続けていた!』なんて話は、まったく出てこなかったし」
瀧 :「いいわけがましいなぁ」
善:「なんやねん、何が言いたいねん。」
瀧 :「そりゃぁそうかもしれんけど・・・ その顔みたら、誰でも何かがあったって気づくよ・・・ ってかお客さんも気付いているよ・・・ たぶん。」
善:「俺が顔面を強打した時、誰にも見つかっていないし、あの家には防犯カメラもないし、隣の家にも誰もいなかったから、俺が電柱に顔面を強打したことに誰も気がつかないはず・・・ だから、俺が顔面を強打したなんて事実は、これから先も永遠に存在しないってことやぁ!」
瀧 :「あ~ぁ、言っちゃった。」
善:「でも、確か作業終了の報告に行ったとき、お客さんの顔がちょっと驚いていたっぽいような・・・?」
瀧 :「確かに、今現在は俺と善ちゃん以外、誰も善ちゃんが顔面を強打したことを知らないから、『善ちゃんが顔面を強打して涙をこらえて鼻血を袖で拭いた』なんて事実は存在していないかもしれない。」
善:「ようわかっとるやん」
瀧 :「でも、だからといって、このまま『顔面を強打した』事実が存在しないまま、時間だけが過ぎていくのは、なにかがおかしい気がする・・・?」
事実と真実は違う
事実と真実は違います。
善ちゃんが『顔面を強打した』なんて事実は確かに存在していない。
新聞やTVやインターネットを見ても、そんなことはでてこないし、いろいろな人に聞いても答えは聞けない。
今、パソコンやスマホでこの記事を見ている方も、善ちゃんが『顔面を強打した』なんて事実は知らなかったわけやし。
だから、善ちゃんが『顔面を強打した』なんて事実は存在しなくても、善ちゃんが『顔面を強打した』という真実は存在します。
事実とは、多くの皆が認識しておる事柄のこと。
真実とは、多くの皆の認識とは関係なく、実際の本当の事柄のこと。
善:「なるほど! だから、俺が顔面を強打した事実はないってことになるのか! だって、世界中のほぼすべての人が「善ちゃんが電柱に顔面を強打して顔がめっちゃ腫れている!?そんな話は知らない。」と答えるから・・・ つまり、世界中のほぼすべての人が『この事件を知らなくては存在していない』という認識なのか!」
瀧 :「なんだか長くて、途中は意味がわからんかったけど、そういうことになります。でも、あなたの赤く腫れた顔を見たら誰でも気付くと思うけどなぁ」
善:「あなたっていうな!」
瀧 :「でも世界中のほぼすべての人の認識は関係なく、善ちゃんが顔面を強打した実際の本当の事柄だから真実です。」
私たちの日常の世界には、皆が認識している事実と、実際の真実が異なることが多々あるです。
これは一種の情報格差。
世の中の多くの人は、TVや新聞やネットや、身近な人からの口コミなどで、事実を知っているつもりになっているけど、真実を知らないことも多い。
一般人には、真実は伝えられていないことも、たくさんあると思う。
そして、事実や真実は、同じ事実や真実でも、人の視点によって違います。
だから、TVニュースや人の口コミ、ネット上の情報を鵜呑みにしてはいけないと思うんですよ。