思い出

死のドッチボール

私は小学校の頃、ほとんど学校に通うことがなかったので、普通の人が当たり前に知っていることを知らないことも多く…。

※家庭の諸事情でほとんど学校に行っていませんでした。

そして、たまたま登校した日の体育の時間に、なんとも恐ろしすぎる光景を目にしました。

最近、「ドッチボール」のキーワードを見かけて、ふと思い出したことを書きとめます。

私のただの思い出話なので、ほとんど得られる知識はありません。興味のある人だけ読み進めてください。

 

ポンプ少年

私が小学校の頃、みんなから「ポンプ!」と呼ばれる少年がいました。

今から考えると、ほんとに酷いあだ名で、あれは完全に「いじめ」でした。

私は昔から人に合わせることが性に合わず、独自の判断で行動する人間でしたから、みんなが変な奴だと言っていた「ポンプ少年」にも普通に接していました。

そのポンプ少年は、頭に障害があり、知的障害でもありました。

彼はいつもニコニコしていて、とても感じがよかったのに、障害があるだけでひどい扱いでした。

いつも一人でいることが多かったから、私は好んで一緒に行動するようにしていました。

それは、その子もまた、身なりの悪く、ボロボロの持ち物しか持っていなかった私に対して偏見を持つことなく接してくれる唯一の存在だったから。

よく話を聞いてみると、頭には「ポンプ?」かどうかわかりませんが、なにやら大きな機械が埋め込まれている状態でした。

※正式には、「ポンプ」ではなく、「シャント」というらしいのですが、もはやどっちでもいい話です。

それは精密機械らしく、小さな衝撃も許されないと、ポンプ少年の母親から話を聞きました。

今思えば、なぜ頭に下の画像のようなガードを付けてなかったのだろうか?とても不思議です。

といいながら、私もポンプ少年って言っていますが、本人には言ったことはありません。

今は、便宜上というか、説明のためってことで…以後はP君といいます。

 

体育の日

私は「ドッチボール」というものを知らなくて、たまたま学校に行った日に体育の授業があり、その内容が「ドッチボール」でした。

みんなが普通に知っていたため、何の説明もないままプレーが開始されました。

誰かがボールを持った瞬間、みんなが必死な形相で構えだしました。

何も知らない私は、ボーっと油断して立っていたら、こっちの顔面に向かって頭ほどの大きさのボールを勢いよく投げて来きました!

とっさの判断で避けたのですが、顔面スレスレ。

なにするねん!」って言おうと思っていたら、後ろでボールを拾った奴が、また私の顔面に向かって、さっきよりも早い送球で投げてきました。

なんとかギリギリでかわしたものの、一体何が起きているのか理解できないまま、ひたすらボールから逃げまくりました。

ドッチボールというのは、意外に逃げまくっている人間が最後まで残るようになっているようで、ずっと逃げまくっていた私とP君の2人だけが最後に残ってしまいました。

ここまでくると、私もだいたいのルールがわかってきました。

でも、なぜ顔面ばかりを狙っているのかは、一向に理解できませんでしたが、ふと気になることを思い出した… このボールがもし、P君の頭に当たってしまったら…(゚д゚lll)

まさに『死のドッチボール』です。

いやいや、P君でなくても顔面に当たるのだけは絶対に避けたい。

 

覚悟を決める

とにかく、逃げるだけでは負けることがあっても勝つことがないと悟った私は、ボールを正面からキャッチする覚悟を決めました。

すでに逃げ回っているときから、イメージトレーニングは出来ています。

みんながキャッチしている方法は、一旦自分の体に当ててから、それをバウンドさせるまえに逃がさないように掴んでキャッチしています。

でも、私がそれと同じようにするということは、一旦顔面にボールを当てて…いやいや、これはあかん。

そう思っていた矢先に、P君が私にこう言った。

P君:「僕、ボール取りに行くわ!」

そんなことをさせるわけには行けません!私は思わず言いました。

しず:「俺がキャッチするから、俺の後ろで隠れてとって!」

P君は険しい顔から、いつものニコニコ顔に戻りました。

 

事件発生

P君は、私の背後で姿勢を低くして隠れていました。

私は、顔を狙っているなら、ジャンプすればいいと考え、相手が投げた瞬間ジャンプしました。

しかし、おおかたの予想に反して、相手は足元を狙っていた。

避けるつもりなんて全然なかったのに、私がジャンプしたからボールは私の足元を素通りした。

そして、姿勢を低くし、完全に安心しきっていたP君の頭にボールが直撃。

その後、P君は微動だにせず・・・ ひたすら動きませんでした。

その様子を見て、先生が試合をストップさせ、P君の救護に入りました。

とても心配でしたが、P君がその後どうなったか分かりませんでしたが、どうも自宅に戻っていたみたいでした。

 

お見舞い

私は、とても心配だったので、P君の家に様子を見に行きました。

お母さんに尋ねると、無事だと聞き、ホッっとしていたのですが、なんだか様子が変です。

2階の窓を見ると、いつもニコニコしていたP君の顔が阿修羅の怒り面のような顔になっています。

私は驚いて、彼のお母さんに聞きました。

しず:「何かあったんですか?」

その言葉が引き金になったのか、お母さんも阿修羅の怒り面のような顔になり…

P母:「お前も同じような目に合わしたろかぁ~」

そう言うなり玄関に置いてあった傘を握りしめていました。

私は殺気を感じて、すぐにその家から離れましたが、離れ際にたくさん物が飛んできました。

しず:「なんでやねん!

 

さいごに

今、思い返しても何をどう誤解されたのか気になって仕方がありません。

あと2年残っていましたが、その後にその小学校に足を踏み入れたのは15年後の大人になってからでした。

私は、彼に知的障害があったことを忘れていたところがあり、ちゃんと説明しなければいけなかったのに、わかっているだろうと思い込んで話をしていたのかもしれません。

人の親になった今ならわかりますが、お母さんは本当に心配だったんでしょう。

今でもそういった人たちが集まる施設でボランティア活動をしていますが、いつか彼と再会するのではって思っています。

もしもP君と再会した時に、私は石を投げられないことを願っています。

 

 

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