思い出

忠告のタイミングを完全に逃した散発屋さん

忠告のタイミングを完全に逃した散発屋さん

隠せない動揺

高校受験ともなると、学力試験に加えて面接なるものも存在します。
面接では緊張のあまり、とんでもないハプニングが起こることもよくあること。

高校受験の面接では、複数で受けることが多くなると伺いました。
一緒に面接を受けるグループに、妖怪ウォッチの腕時計を付けて来る様な強者がいたとしたら、あなたはどう思うか。
しかも、それに気付くのが、面接会場に入場してからだとすると・・・

若干15歳にして、それを見なかったことにするのは至難の業でしょう。
妖怪ウォッチの腕時計を装着してくる強者の目的はなんなのか。
いろんな疑問が頭の中を埋め尽くし、面接のシュミレーションはすべてどこかへ行ってしまうかもしれません。

私の場合はこれほどの緊張感はありませんが、見てはいけないものを見てしまった気持ちがすこしわかります。
いつも、利用している、コンビニの店員にこんな髪型の人が居ます。

いつも、私はその店員の髪型に目を奪われてしまいます。
この画像は、イメージですがカッコよすぎ。

実物は、こんなにカッこよくなく超オタクっぽい感じで小汚い。
私が言いたいのはモミアゲ。
その店員はモミアゲが異常に長い。
モミアゲが余裕で肩にかかっています。
動くたびに、ひらひらとモミアゲが揺れています。

女なら、まだわからなくはないのですが男です。
しかも、推定35歳ぐらい。
他の客も、それをあざ笑うかのようにチラチラ見ているのがよくわかります。

私のプロファイル

あの人は散髪屋さんで、いつもどうしているのか。
こんな特殊な髪形を作れる散髪屋はそうそうありません。
うかつにいろんなお店に行けば、きっとどこかの散発屋さんでカットされてしまいます。
あそこまで伸ばし、その状態を維持するためには、きっとおなじ散発屋さんに通っていることは間違いなさそうです。
そもそも、こんなモミアゲで散髪屋に行ったら普通の店なら笑われてしまう。
だから、このモミアゲを生み出した犯人はおなじみの散発屋さんに違いありません。
美容室かもしれませんが、散髪屋なら必ず聞かれる決まり文句があります。
まず椅子に座ると「今日はどうなさいますか?」です。
必ずこれを聞かれます。
この質問に対しては「いつもと同じで」と答えるのが慣用的な使い方。
散髪屋の主人はハサミやキリ吹きを準備し始め、次にもうひとつの決まり文句を言います。
「モミアゲはどうしましょうか?」です。

きっとこの人は、この質問に対して「そのまま残しておいて」と言うのでしょう。
そう、何年その散発屋に通っているかわかりませんが、何も考えずにずっとそうやって言い続けているのではないのか。
この答えを、毎回聞かされる散髪屋さんの気持ちはいったいどんなんだろうか。
いや、きっとターニングポイントがあったはず。

ある時期から、自分が担当するこの客のモミアゲが不自然な長さとなり、やがて明らかに奇妙な髪型へと進化をとげてしまう。
しかし、それでもこの人は毎回モミアゲを「そのまま残しておいて」と言い続けるに違いありません。
ただ、いつもと同じセリフを言っているだけで、人の迷惑をこれっぽっちも考えていないのは間違いない。
散髪屋の主人にしたって、今さら「お客さんのモミアゲ、すごくおかしいですけど」とは口が裂けても言えない。
もしも、正直にそれを口にすることができたならどんなに気持ちが楽になるだろうか。
悶々とした日々が過ぎていく。
誰も悪くなんかない。
散髪屋の主人もモミアゲマンも悪くありません。

やがて散髪屋の主人は、モミアゲマンが店を出た途端に周囲の人が笑いをこらえていることに気付いて散髪屋としてのプライドをズタズタにされることでしょう。
それにしても、これほど現実離れした髪型(モミアゲ)の人が今まで、誰にもつっこまれずに生活をしてきたというのも考えてみると不思議なこと。
だって、私の中ではちょっとした都市伝説ぐらいにはなっているのだから。
時には、モニアゲが邪魔になるときだってあるに違いありません、そんなときはきっとこのように、モミアゲをくくっているのかもしれません。


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