1年に1回はクリーニング
エアコンの室内機は、夏の冷房シーズンが終わったらクリーニングをやるべきです。
冬の暖房運転ではカビが生えたりしないし、あまり汚れることは少ないので9月か10月ごろの冷房シーズンが終わった頃に、毎年クリーニングするのが理想です。
でも業者に依頼すると結構高額なためクリーニングの依頼をためらいます。
エアコンの種類によって、どこまで綺麗にクリーニング出来るかはさまざまですが、自分でエアコンをクリーニングすることが出来るので挑戦してみてはいかがでしょうか。
不完全なエアコン
エアコンをクリーニングするためには本体カバーを外す必要があります。(外さなくても出来る部分もあります・・・)
エアコンの本体カバーを外すと「お客様がカバーを外さないように!」との注意書きがあります。
「じゃぁ、この汚いカビやほこりはどうするのですか!」って言いたいです。
エアコンの開発者は、ほんとアホだなぁって思います。
どのメーカーも同じことが言えますが、ユーザーで簡単に分解して掃除できるようになっていません。
エアコンと言う家電製品には、ユーザビリティーの観点がまるでありません、私に言わせれば今のルームエアコンは不完全商品と言わざるを得ません!
ファンや出口のフィンくらいは扇風機のようにユーザーで掃除できるようにしていないのは犯罪レベル級にひどい話です。
扇風機だって10年以上掃除せずに置いていただどうなるでしょうか?
エアコンの置かれている環境は扇風機よりも過酷なんです。
ほこりもあれば、湿気もあるのでカビもあります。
これを、掃除出来ないように設計しているのには呆れ果てます。
クリーニング業者
業者に依頼しても目玉が飛び出るくらい高額だったりします。
クリーニングの内容は価格に比例します。
外して分解クリーニングをしないクリーニングは簡易クリーニングといいます。
熱交換器の裏側は通常綺麗な状態ですが、業者による高圧洗浄で本来付くはずのない場所にカビが付着し、エアコンが前以上にカビだらけになることが多かったりします。
これ簡易クリーニングの限界ですのでしかたがありませんが、高圧洗浄機で洗うくらいなら自分でしたほうがマシです。
自分でクリーニング
エアコンを取り外すことがない簡易クリーニングなら、いちいち業者に依頼しなくても自分で出来ます。
お掃除ロボットが付いていたら、難易度は格段に上がるため、エアコンのプロはお掃除ロボットの付いたエアコンは買いません。お掃除ロボットはすごく繊細で、びっくりするくらい小さなバネが付いていたり、触っただけで破損するような部品があったり、うかつに素人が触るとほんと後悔しますので、お掃除ロボット付きなら、無理のない範囲でしか掃除できません。
また、エアコンが壊れなくてもお掃除ロボットが壊れると、エアコンは使用できなくなることは多いんです。
なのでお掃除ロボットが付いている場合は、かえって高額になることがありますので慎重に検討してください。
準備偏
1.養生用品(ゴミ袋や養生テープ)
養生テープは、相手側にノリを残すリスクが少ないテープです。
2.洗剤(アルカリ電解水)
成分は、100%水でありながら除菌や汚れを落とす能力があり、エアコンの掃除にはピッタリの洗剤なんです。
成分が水なので、すすぎを気にしなくて良いのも魅力です。
3.すすぎ用の水差し
4.掃除用ブラシ
5.ウエス(ぞうきん)
6.バケツ
7.プラスドライバー
洗剤を選ぶポイント
熱交換器はアルミですので、アルミを腐食させないものを選びます。
アルミは、アルカリ性でも酸性でもどちらでも腐食してしまいます。
どうしてもって場合はアルカリ性にしてください。
お風呂の洗剤でも大丈夫ですが、すすぎを入念に行えることが条件になります。
ファンや出口フィンなどは樹脂です。
樹脂は、PS・ABS・PBTであることが多く、有機溶剤でなければ問題ありません。
つまり、お風呂洗いで使う洗剤や食器洗いで使用する中性洗剤であれば問題ありません。
カビキラーを使いたい気持ちになりますが、絶対に使用しないほうがいいです。
樹脂部のみなら問題ありませんが、樹脂以外に付着しない保障はないですからね。
すすぎにも大量の水が必要ですので、個人レベルならカビキラーの使用は避けるべきなんです。
たまにカビキラーが酸性と言っている方がいますが、これは間違っています。
もしもカビキラーが酸性なら、とても危険な状態となっています。
塩素系の薬剤に酸性成分が混ざると塩素ガスが出ます。
「混ぜるな危険」と表示されていますよね、これは酸性の物と混ぜるなってことです。
なので最初から酸性であるはずがありません。
ちなみに、カビキラーはアルカリ性。酸性でなくても、アルミである熱交換器を腐食させることになります。
関連記事:あの、カビキラーの噂は、本当なのか?
話が脱線しましたが、洗剤はすべてアルカリ電解水を使えば問題ありません。
セルフクリーニング編
まずはエアコンのコンセントプラグを抜いておきます。
次に、外すことが出来るところは全て外しておきます。
機種によって外せるところはさまざまです。
ここは、一番注意しないといけないポイントとなります。
決して無理しない範囲でやればよいと思います。
外せるところが多ければ多いほど綺麗にクリーニングすることが出来ます。
外せたパーツは、単体で綺麗に洗えるのでとっても気持ちがいいです。
通常外せるパーツ
フィルターと出口のフィンは、通常工具なしで外すことが出来ることが多いです。
出口のフィンは曲げながら外しますので、樹脂が経年劣化しているようであれば外すのは避けたほうがいいです。
※目安は10年までなら大丈夫です。
本来は固定しているピンを破損させて外し、ピンは新品に交換するのがメーカーの推奨。
次に本体カバーですが、正面に2~3個のねじがあり、それをプラスドライバーで取外します。
あとは、上部に爪で引っかかっているパターンが多いですので、爪を手で外して本体カバーを取り外します。
ちょうど、上部を支点とした感じで回転させるように動かすと取れます。
だいたい、このパターンであることが多いです。
この状態で熱交換器がむき出しになります。
(お掃除ロボットは無いものとして)
養生
熱交換器は、ドレンパンと呼ばれるトレイがあるため養生なしでクリーニングが可能です。
ですので、ファンなどの部分を掃除しない場合は養生は必要ありません。
しかし、ファンや、風の吹き出し口もクリーニングする場合は、養生が必要です。
オススメは、養生テープ付シート
なければゴミ袋と養生テープでも代用は可能。
物理的に洗剤やすすぎの水が室内に落ちてきますので、それを受けれるような形で養生すればいいだけです。
水を空中で受けるのは危険ですので、ビニールは床まで垂らしてバケツで受けましょう。
洗浄
熱交換器はまず、掃除機で見えるほこりを吸います。
この時に注意したいのは、熱交換器のフィンを変形させないこと!
熱交換器のフィンを変形させると、熱効率が悪くなりますのでランニングコストに影響がでます。
ですので、やさしく縦にのみ動かしてください。無理のない範囲でかまいません。
次に、水を入れた水差しで熱交換器を濡らします。
その後、洗剤(アルカリ電解水やエアコンクリーナー)を吹き付けてください。
次に、吹き出し口から、洗剤(アルカリ電解水やエアコンクリーナー)を均等に吹き付けます。
ファンはブラシで回転させながら均等に吹き付けましょう。
吹き付けが終わったら、ブラシで根気よくブラッシング。
ファンや吹き出し口は、綺麗になるまでこのサイクルを繰り返しします。
↓ちなみにこれ、ファンの掃除に最適ですよ!
|
すすぎ
熱交換器とファンや吹き出し口の洗浄が終わったら、次は水差しですすぎです。
エアコンクリーナーはすすぎ不要と書いていますが、この理由が私には理解できません。
あんなに洗浄力のある液体をそのまま放置して良いなんて不思議です。
熱交換器が終わればファン周りもすすぎします。
ものすごく汚れていた場合はドレンホースに汚れが詰まることもあります。
もしもドレンホースが詰まってしまうと、当然水は室内にこぼれます。
必ずドレンホースから勢いよくすすぎの水が出ることを確認しておいてください。
(たまに、自分でクルーニングをしてドレンホースを詰まらせたお客さんを見かけることがあります。)
十分すぎるくらい、すすぎは行ってくださいね。
乾燥
コンセントを挿し、本体の電源をいれて送風運転をします。
送風運転がない場合は、冷房運転で設定温度を現在の気温よりすこし高く設定すれば自動で送風運転になります。
送風運転が始まると、ファンから水しぶきが飛びますので、特に初めはタオルで受けておきましょう。
このとき、タオルがファンに巻き込まれないように注意が必要です。
組み直し
乾燥が終わって組み直しすれば完了です。
機種によっては、本体カバーを装着しないとうまく動作しない場合もありますので、乾燥と組み直しはどちらでもかまいません。
さいごに
あくまでもセルフクリーニングですので、自分の力量にあわせて行えばいいと思います。
熱交換器に微小な穴が開いてガス漏れをしているエアコンをみかけるのですが、おそらく原因は掃除したときに洗剤を残した可能性が高いと思っています。
※原因はさまざまで、ヘアスプレーだったりもしますので、実際にはわかりませんが。
エアコン掃除の洗剤は、アルカリ電解水が一番安全です。