方法、手法

なめそうなほど硬いネジを緩める場合

なめそうなほど硬いネジを緩める場合

ドライバーの使い方

JIS規格では、「ねじ回し」といいます。
別の呼び方で「スクリュードライバー」がありますが、普通はパソコン関連の「ドライバー」混同を避ける場合以外は、「ドライバー」と呼びます。
ドライバーを使って、ネジを緩めるときに最も気を付けることは、カムアウトさせないことです。

カムアウトとは、ドライバーの浮き上がり現象のこと。

カムアウトにより、ネジとドライバーの接地面積が少なくなった状態で回転方向の力を加えると、なめ(ネジ頭の溝が潰れ)ます。
ネジをなめると、もうそのネジは繰り返し使うことは出来ません。
それだけで済めばいいですが、最悪は緩まないままってこともあります。

だから、絶対にカムアウトだけは避けなければいけません。
そのため、ドライバーに加える力は回転方向の他に、垂直方向に押し付ける力が要ります。

そして、その割合は 9:1
垂直方向に押さえつける力が「9」で、回転方向に加える力が「1」
カムアウトさせないために、ほぼ押し付けているイメージになります。

ある程度緩み、トルクが弱くなってきたら、回転方向の力の割合を増やしても大丈夫。
また、良いドライバー工具なら、アンチカムアウト・リブ(ACR)が採用されているので、ネジをしっかり捉えるので、なめにくいとの情報もいただきました。
いろんな工具がありますが、プラスドライバーなら、高価な物を持っていても元は取れそう。

ドライバーの限界

あたりまえですが、人力には限界があり、全体重をかけてもカムアウトしてしまうネジがあります。
高温になる車のエンジン回りだったり、錆びついていたりすると、普通のドライバーではネジを緩めることができない場合があります。
このような状態のときに試す方法を、順を追って紹介します。

潤滑剤を使う

代表的な潤滑剤は、CRC5-56のような浸透性能が高いもの。
硬いネジには、潤滑剤を塗布して、数分待ち十分浸透してから、ドライバーで緩めてみます。
ネジ固着の程度が低い場合はこれで緩みますが、潤滑剤を塗布しても、びくともしないネジが実際にあります。
その場合、次に紹介するショックドライバーを使います。

ショックドライバーを使う

ショックドライバーを使うためには、金槌(ハンマー)が要ります。
ショックドライバーは、手動で回転させる機構はなく、垂直方向に押すことでしか回転させることができません。
ですから、ほぼ10:0に近い状態でネジを緩ませることができるので、カムアウトすることがありません。
どうやって、垂直方向に力を入れるのかというと、金槌で釘を打つようにショックドライバーを叩きます。
これで緩まないネジはほとんどありません。
しかし、金槌で叩くので、母材がしっかりしていることが前提となります。

母材とはネジが固定されているもののこと。

母材が弱い樹脂だったり、薄い金属だったりする場合は、母材を破損させてしまうのでショックドライバーは使えません。

その場合、次に紹介するショックドライバーを使います。

インパクトドライバーを使う

インパクトドライバーは電動ドライバーに、似ていると思うかもしれませんが、全く違いますので混同しないように注意してください。
インパクトドライバーは、衝撃を利用してネジを回す電動工具です。
高い回転トルクと同時に、ネジに垂直方向の打撃力を与える効果を持つ事が特徴。
ショックドライバーほどの垂直方向の打撃がないものの、ほぼ同等の効果を得られることができます。
※動作に打撃があるので、打撃音や振動があるので回転方向だけの電動ドライバーとはまったく違います。

ネジをなめてしまった場合

上記の方法を試せば、ほぼなめることはありませんが、それでもなめてしまっても、ネジを緩める方法はいくつかあります。
代表的な方法を3つ紹介します。
ネジ頭は潰れているのが前提ですから、再使用することを考えていません。

ネジザウルスを使う

ペンチやプライヤーの溝を縦に堀っているのが特徴で、ネジザウルスでネジを掴んで回せば緩めることができます。

逆ネジ

潰れたネジに穴をあけ、そこに逆ネジのタップを切りながら、ネジを緩めるしくみになります。
逆ネジなので、緩める方向に回せば回すほどホールドするので、潰れたネジでも緩めることができます。
ネジに穴をあける必要があるので、ステンレスネジのように硬すぎるネジには穴を開けることができない場合があります。


ゴムシートを使う

幅の広い輪ゴムでも代用できますが、薄いゴムシートを潰れたネジ頭に乗せます。
ネジとドライバーの間にゴムシートがある状態で緩めてみてください。
ゴムの摩擦抵抗により、しっかりホールドするため、ネジを回すことができます。

追加情報

フォロワーのtetsuさんより、追加情報をいただきましたので追記します。

金属は、暖まると膨張し、冷えると収縮する性質があります。
炙ったり、冷やしたりすることでネジと母材に隙間が出来るので、ねじが外れやすくなります。
炙るのは、使える場所が少なそうですが、冷やすほうなら、おおよその場面で使えそうです。
今回教えていただいた商品はこちら。


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