電源の電圧切り替えや専用コンセントを付けなければ、第二種電気工事士の免許を持っていなくても作業をすることができます。
エアコンの取り付け方法なんて、100人居れば、100通りありますから、ここに記載している方法が正しいわけではなく、ひとつの方法だと考えてください。
ここに記載している方法と違う施工をしている職人を見ても、素人が職人に口出しをするべきではないことを了承して読み進めてください。
ご自分で施工される場合は自己責任で行ってください。
プロなら雨の日でも問題ありませんが、慣れていない人は雨の日の施工は絶対に避けてください。
最後まで読んでも自分で施工をする自信がない人は無理をせず専門業者に依頼しましょう。
関西であれば当社お任せください。
エアコン設置に必要な部品
・エアコンテープ(非粘着テープ)
・エアコンパテ
・ビニールテープ
・ドレン配管
(おとめちゃん)無くても大丈夫です。
これを装着していれば、虫の侵入も防ぐことができるのでお勧め。
参考記事:ゴキブリによる住居不法侵入事件
・室外機基礎
・VVFケーブル(2.0×3芯)
・冷媒管
冷媒管はセットで売っていることがあります。
ペアコイル、保温材、フレアーナット(キャップ付)、ウォールキャップ、非粘着テープ、粘着テープ、パテ、ドレンホース、スリーブなどがセット販売されています。
配管サイズや長さなど、エアコンや設置場所によって変化します。
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必要な道具
・カッターナイフ
・六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)
・プラスドライバー
・ペンチ
・モンキーレンチ
・VVF用ストリッパー
・メジャー
ここからは専用工具
ホームセンターやネットでレンタルすることもできます。
・スパナタイプのトルクレンチ
・真空ポンプ
・フレア加工ツール
・パイプカッター
・リーマー
・電動ドリル
壁面の穴空け
一番初めに行うのは、室内機の設置場所を確定させること。
取り付けするエアコンの真後ろから配管を通過させるように穴を開ければ、見栄えがよくなります。
設置場所が確定したら、配管や電線を通すための穴を壁に開ける作業に入ります。
穴を開けるときは、防湿シートを破りますので、気密処理をしなければいけません。
機密性が失われた壁は内部が結露しカビや腐敗の原因になります。
始めに室内側から穴を開けたら、カッターでグラスウールなどの断熱材をカットして取り出してから、外壁側の壁に穴を開けるのがベスト。
一気に外壁まで穴を開けてしまうと、断熱材が偏って機密性がなくなってしまいますし、それ以外にも筋交など傷つけてはいけない物を見逃してしまうことがあります。
穴はドレン排水がスムーズに流れるように室内側を少し高くして斜め下に空けるイメージで空けます。
穴が空いたらスリーブを挿入するのですが、スリーブのフランジで隠れる範囲でテープを貼り防湿シートを固定します。
室内機の取り付け
室内機の裏には取付け金具がセットしてあるのでプラスドライバーで取付け金具を外します。
外した金具を設置場所にネジ固定するのですが水準器を使って水平に位置を合わします。
そして、固定する穴は柱を狙ってネジ止めします。
柱を狙って、ネジを止める理由は、しっかり固定するほかに防湿シートに穴を開けないようにするためでもあります。
室内機にVVFケーブルを接続
室内機の蓋を外し、右側にある端子台をネジを外して露出させます。
VVFを固定する金具を取り外しします。
VVFケーブルは室外から貫通穴より取り出します。
VVFケーブルの長さが確定できるのは、室外機と接続するときなので、先に室内でVVFケーブルを接続すると ケーブルの束を貫通穴から通過させることができませんから、後々の作業を考えて、室外から持ってくるようにしましょう。
VVFの被覆を規定の長さにはがします。
この作業は電工ナイフでもできますがVVFストリッパーがあれば非常に楽で速くなります。
そして、室内機の裏から端子台に通過するポイントを通過させて端子台に接続します。
接続する配線の場所は配線の色と同じ色の端子台に接続します。
接続が終わればVVF固定金具で固定し、端子台を露出させた手順の逆で蓋を元に戻します。
室内機の配管をまとめる
冷媒管をゆっくりとゆっくり慎重に曲げる。
この折り曲げはほんとに慎重に行わないといけません。
ビニールテープで冷媒管とVVFケーブルを2箇所程度まとめる。
この時、強く締め付けしないように注意します。
下の画像のように断熱材を潰すほど強くテープを巻いてしまうと、断熱材の効果が激減しますから注意してください。
次に、エアコンテープを管の終端側(室内機側)から巻きます。
エアコンテープは逆巻きするのが基本ですが、ここでの逆巻きは、穴に入れるときに穴に引っかかるので、この部分だけ順巻きにします。
室外機を据え付ける
エアコンテープが剥がれないように、慎重に穴に配管をさしていきます。
慎重に最後まで入れていきます。
最後まで入ったら、室内機を金具に引っ掛けて固定します。
室内機との冷媒配管の接続
市販の冷媒管はフレア加工されているのでそのままネジ止めすればOK
※フレア加工は後ほど詳しく説明していますので、フレア加工していない配管の場合は、そちらを参考にしてください。
フレア加工へジャンプ
まずは素手で締まるところまで締めて仮止めします。
配管を揺すりながら締めると奥まで締まります。
これを適当に行うと、後から使うトルクレンチが正しく機能しなくなりまので、何度も配管をゆすりながら手で締めていきます。
室外機の設置
室外機基礎を水準器を使って水平に設置する。
その上に室外機を設置します。
室外機基礎と室外機本体とをボルトで固定する。
室外機との冷媒配管の接続
室外機の位置が決まったら、室外機の横にあるカバーを外すため、ネジをプラスドライバーで外していきます。
ネジが外れたらカバーは取れます。
冷媒管の長さを調節していきます。
カッターで断熱材をカットしてからパイプカッターで配管を切断します。
カットした後はリーマーを使ってバリを取ります。
この時、バリ(切りくず)が管の中に入らないように切り口を下にして作業します。
リーマーを軽く回転させてバリを取りますが、力を入れるとかえってバリが出ます。
最後に軽く叩き、バリ(切りくず)を落としますが、これはとても重要なので忘れないこと。
フレアナットを入れてからフレアを作っていきます。
フレアの作り方
フレア加工ツールを使ってフレアを作ります。
フレア加工ツールには、複数のサイズの管が加工できるようになっていますので、配管のサイズにあった穴を使います。
配管の突き出し量は、使用するツール・冷媒によって変わります。
クランプハンドルを締めて固定します。
ハンドルを回すとフレア加工されます。
指定のトルクでクラッチが切れて空回転するので、そこまで回します。
最後にハンドル類を緩めて配管を取り出します。
これで完成
室内機との冷媒配管の接続へもどる
室外機との冷媒配管の接続のつづき
それぞれの冷媒配管のフレアが完成したら室外機に冷媒配管を接続します。
ここでも、手締めで締まるところまで締めるのですが、配管を揺さぶりながら締まるところまで締めます。
次にトルクレンチを使って増し締めします。
トルクレンチは矢印があるので方向を間違えないようにする。
左手に持っているモンキーレンチでサービスバルブをしっかり固定し、トルクレンチが「カクッ」となるまで締めます。
正しくフレア加工が出来ていれば、1/2回転以内に規定トルクになります。
本来、これで正規のトルクなのですが、これは配管とナットを含むすべての素材が新品の場合の規定トルクです。
エアコンが中古であれば1/4ほど余分に増し締めしたほうがよいです。
関連記事:トルクレンチを使っても、狙ったトルクで締め付けられていない理由
真空引き
バルブコアに真空ポンプを接続します。
バルブコアは、黄色の矢印のある袋ナットを外せばあります。
真空ポンプの接続時は、素手のみで増し締めします。
コントロールバルブを反時計回りに回して全開にする。
ここからは、真空ポンプによって操作がかわりますが、今回は逆止弁のない真空ポンプの手順で行います。
真空ゲージのバルブを全開にする。
そしてコックを開く。
そしたら真空ポンプを作動させる。
針が動いていたら、正常に真空引きが出来ていると思います。
あまりこのゲージは当てにならないので15分間作動させます。
ほんとは、フレアナットを少し緩めてゲージが動くことを確認するのですが、その必要はないでしょう。
真空ポンプに逆止弁がない場合、停止にはちょっと工夫が必要です。
その場合、真空ゲージのバルブを閉じ、真空ポンプと配管を切り離します。
次に真空ゲージのナットを緩め、ポンプ側を大気に開放する。
この時に、ポンプの音が変化するので、ここで真空ポンプの電源をOFFにします。
この手順で停止させれば、オイルが逆流することはありません。
※真空ポンプは、逆止弁のあるものを使うことを推奨します。
さらにこの状態で、5分間針が動かなければ真空引きは完了。
無事に完了となれば、バルブを外します。
まず、コントロールバルブをしっかり閉じてから、バルブを手で外します。
※手締めしかしていないので、手だけで外すことができます。
最後に、袋ナットをつけてから、増し締めします。
※この時の袋ナットは、増し締めしておかないと、ガスが抜けることがあります!
冷媒ガスを開く
冷媒ガスは、室外機に封入されていますので、これを開放します。
はじめに、少しだけ開放して、ガス漏れの確認を行います。
細い管のサービスナットを外す。
そこに、六角レンチで1/4回転緩め、5秒後素早く閉じます。
※リークテスト用のガスだけ開放します。
閉じた後は、2個共の接続部分のすべてに石鹸水をかけて、エアリーク(ガス漏れ)を確認する。
ガス漏れが無いことが確認できれば、細い管と太い管のサービスバルブを全開にします。
サービスバルブの袋ナットを忘れずに締める。
室外機にVVFケーブルを接続する
カバーをプラスドライバーで外すと、端子台が出てきます。
室内機で行ったと同じように被覆をはがして、同じ色に接続します。
接続語は、カバーを元に戻します。
次に、VVFケーブル固定金具でケーブルを固定する。
アース線を取り付けします。
アース線の取り付けも含みますが、ここまでの作業で電気工事士の免許は不要です。
基本的なエアコンの施工であれば、電気工事士の免許は不要なので、職人に免許証の提示を求めると、自分が恥を書くかもしれませんので注意してください。
最後の仕上げ
エアコンテープを室外機がわより、巻きつけていきます。
必ず、下から上に向かって、逆巻きで施工してください。
施工場所により、逆巻きが困難な場合は、無理をしなくても構いません。
逆巻きにすることで、埃やゴミ、雨水が入り難くなります。
エアコンテープが巻き終わったら、壁の穴をエアコンパテで埋めます。
ドレン排水確認
室内機の蓋を開けて、フィルターをはずせば熱交換器がむき出しになります。
そこへ注水して、外のドレン管から、排水されることを確認します。
試運転
最後に冷房運転を開始して、動作を確認をします。
室外機も動いていることを確認して、室内機からの送風に手を当ててみて、送風が冷たくなっていることを確認してみてください。
さいごに
はじめにも書きましたが、この作業内容はひとつの方法ですので、参考にしてみてください。
もちろんエアコンの機種によっても、変わってきますので、取扱説明書と取付け工事説明書は必ず読みましょう。
ここに記載した方法でも、エアコンを取り付けできるようになりますが、プロの職人たちとは取付け方方が若干異なるところがあります。
尚、この記事の質問(指導)は、リスクを伴うため受け付けません。
関連記事:エアコンを取り外しするときは、ポンプダウンが必要