思い出

究極の選択は突然に訪れる

究極の選択は突然に訪れる

工事現場

善ちゃんに話を聞くと、電気工事の現場と言うのは、常に危険と隣り合わせのようです。
高所で作業をするための2段はしごを使っている時でも、両手を離した状態で作業することはよくあるみたい。
慣れとは恐ろしく、はしごが少々ぐらついていても全く気にならないようになってくるものだと彼は言う。
それは、はしごがきれいに使える現場ばかりではないから。

ある現場で、はしごが異常に傾いていても気にならないようになるほど、順応していた。

いつものことです。

普段と変わらない作業のなかで事件は思いのほか突然に訪れた。

彼の天然レーダーはふわふわした感覚をビビッっと察知した。

しかし、時すでに遅し、はしごが壁から離れてる。

そして、とっさに掴もうとした雨どい…

しかし、雨どいはそんなに丈夫に作られていない…

このまま掴んだら雨どいを壊してしまう。

しかし、掴まないことは死ぬことさえ覚悟しないといけない。
(お客さん宅で死ぬのも大迷惑な話)

時間にして1秒もない時間

この1秒もない時間で人生の究極の選択を迫られることになるとは彼は災難。

しかし彼はポジティブ

なんの根拠も無く「死ぬことはないだろう」と思ったそうです。

彼は雨どいを掴むのをやめ、流れに身を任すことを決断した。

九死に一生を得たと言えば大げさな話ですが、幸いにも軽傷で済み、倒れたはしごで何かを破損することはなかった。

正義感にあふれる熱血派の彼ならではのエピソード。


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