素直な性格
善ちゃんは、とても素直な嘘の付けない熱血感あふれる工事人です。
高校時代のエピソード
少し練習すれば誰でも出来るような簡単な手品を見せ合いして遊んでいた時です。
当時、世間ではミスターマリックのハンドパワーで盛り上がっていた時代でもありました。
高校生の男って、ほんとアホなので手品が終わるたびに「ハンドパワーです!」なんて言っていたのを思い出します。
ほとんどの者が持ちネタを一通り披露した後で西くんが言います。
西:「善ちゃんは、やらんのかぁ」
善:「俺はハンドパワーがないからなぁ悪いけどでけへんわ」
一同:「やばっ!善ちゃん、それめっちゃやばいよ!」
善:「やばいのは、おまえらの方やろ!なんでそんなにハンドパワー持ってるやつばっかおるねん!」
西:「えっ?普通やけど?」
善:「瀧!ハンドパワーなんて誰でも持ってないよな?」
瀧 :「普通だいたい中学生のはじめくらいになったら出始めるから」
善:「マッ・ジッ・デッ!」
西:「あぁ大マジや!おまえ病院行った方がよくないか?」
善:「何科に行ったらええねん!皮膚科か?」
タネ明かし
善ちゃんがマジで信じはじめちゃいましたのでタネ明かしをすることにしました
瀧 :「俺がやったマジックのやり方を説明するからよく聞いてよ。」
善:「わかった。」
私は善ちゃんに自分の披露したスプーン曲げのタネを教えることにしました。
【スプーン曲げのタネ明かし】
1.まず、持った瞬間からリアクションを入れた状態で力で曲げてる。
ポイントは大きく曲げないこと。
持ち方で決まるから力点、作用点を意識してスプーンを持つとすごく簡単に曲がる。
2.すでにスプーンは少し曲がっているので動きを止めずに手のひらに乗せる。
ここで動きを止めるとすでに曲がっていることがばれる。
3.それから、ゆっくりと手を反らすと手を触れていないのにスプーンが曲がっていくように演出できる。
4.そのスプーンをテーブルに置いたら、ほんとに曲がっているのでフィニッシュ
瀧 :「どう?これでわかった?」
善:「だいたいわかったけど・・・」
瀧 :「なにぃ、全部わからんかった?」
善:「うんハンドパワーは、どの部分で使うの?」
この発言の後、学校の先生も含めて大爆笑の嵐が巻き起こりました。
正直者は馬鹿を見る
私の通っていた高校は、男女共学でありながら、私の学年には女子が一人も在籍していませんでした。むしろ男子校です。
男子だけになるとアホさ加減が暴走し、ほんとアホばっかり揃っていました。
その中に正直者で信じやすい善ちゃんは、かなり翻弄された高校生活を送ったに違いないと思う。