「タイでは味の素を食べるとハゲるって思われている!」
これは、私の友人で元タイ人の日本人の方が言っていたのですが、ライバル会社の陰謀かもしれないけど、タイの人はみんなそう信じてると言っていました。
ネット検索してみると「味の素は石油から出来ている」という記事が多数出てきました。
「味の素の社員は、その危険性を知ってるから絶対に味の素を使わない」という内容の記事もありました。
ハゲになると聞くと、どうしても気になって調べてみました。
そもそも味の素って?
主な成分は「グルタミン酸ナトリウム」でした。
名前だけ聞くと、やっぱり「化学薬品」みたいで怖い印象は残ります…
実は、大昔(昭和30年代)は味の素の原料(グルタミン酸ナトリウム)は石油だったこともあったようです。
その頃のグルタミン酸ナトリウムには不純物が混ざっていて、それが発ガン性物質だったりしていました。
現在、味の素のホームページでも説明されていますが、グルタミン酸ナトリウムの原料は「サトウキビ」でした。
グルタミン酸は昆布やトマトなどの野菜に含まれている旨味成分で、味の素は、そのグルタミン酸から作られているグルタミン酸ナトリウムを原料にしています。
化学調味料
昭和30年代の頃、味の素は「化学調味料」という名前で呼ばれていました。
工場で化学的に作り出された奇妙な白い粉という印象でしょうか。
実際に石油由来の原料から合成して作っていた時期もあって、今となっては都市伝説みたいに噂されていますが、残念ながら真実です。
これは、味の素の会社も認めていました。
中華料理店症候群(msg症候群)
1960年代以降、海外で中華料理を食べた時に喘息の発作が起きやすいっていう報告が増えてきました。
その頃、中華料理店では大量の化学調味料(味の素)が使われていました。
これが中華料理店症候群(msg症候群)で、日本では「チャイニーズレストランシンドローム」という言葉で一般的に広まりました。
1969年、アメリカの権威ある科学誌サイエンスでは、味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウムmsgをマウスに注射したところ、脳の視床下部に損傷が発生したと発表されました。
※詳しく後述
味の素にとっては最悪の展開。
石油由来の原料だから発ガン性物質だと言われ、チャイニーズレストランシンドロームが発生し、アメリカの科学誌で、脳がやられると書かれました。
しかし、1990年代にはグルタミン酸ナトリウムの安全性は証明され、1995年にアメリカの食品安全局(FDA)でも安全だと発表されました。
2009年のアメリカで、大量に体内に入らなければ健康被害はないという論文も提出されました。
大量の定義
元々1968年に発表された実験(マウスに注射したら脳がやられてしまったという話)は、人間の体重に換算すると、味の素200グラムを水に溶かして一気に注射した感じの実験でした。
一般に売られている味の素は、1本で約70グラム。
つまり、3本も一気に使った上に、さらに皮下注射した実験結果でした。
そんなことしたら、味の素でなくても問題が出るって話なんですが、これが大量の定義。
実際、食品添加物って石油からできているのがたくさんあって、夏になると出てくるかき氷にかけるシロップもそうです。
グルタミン酸ナトリウムを過剰摂取
グルタミン酸ナトリウムを過剰摂取すると起きる体の異変について3つ紹介します。
偏頭痛
アメリカの国立医学図書館と国立衛生研究所が運営する健康情報サイトで、偏頭痛を起す物質として発表されています。
アミノ酸のひとつであるグルタミン酸は、非必須アミノ酸(体内で合成が可能なアミノ酸)。
人の生命維持活動には欠かせない物質で、神経伝達物質として脳への働きかけも行います。
お手軽に使用できるため、加工食品には多く使われているから加工食品ばっかり食べていると、簡単に過剰摂取になります。
原材料の表示で、調味料(アミノ酸等)ってかかれています。
グルタミン酸ナトリウムとは書いていないので注意してください。
緑内障
2002年に弘前大学医学部が、半年間かけて行った動物実験の結果、多量にグルタミン酸ナトリウムを含む食事を食べると、水晶体の後ろに合って眼球を満たしているゼリー状の物質である硝子体中のグルタミン酸濃度が高まり、その結果、網膜細胞が破壊される可能性が高いということがわかりました。
欧米に比べて日本ではよくグルタミン酸ナトリウムが使われることもあり、日本人は欧米人より緑内障を発症する人が多く、この研究結果からグルタミン酸ナトリウムの過剰摂取が緑内障を発症させている可能性が高いと結論付けています。
緑内障になると完治は困難で、日本最大の失明原因と言われています。
味覚障害
グルタミン酸ナトリウムには、食べ物を美味しく感じさせる効果がありますが、一定量を超えると神経を麻痺させることがあります。
麻痺してしまったら味を感じなくなってしまうので、さらにグルタミン酸ナトリウムを過剰に摂取するということになり、まさに負の連鎖が始まります。
さいごに
味の素が石油由来だった時代でも安全性は確認されていて、しかもそれは昭和30年代の話です。
現在に至っては、サトウキビを発酵させて製造されています。
つまり味の素は発酵食品で、納豆や醤油、味噌やパンと同じ発酵食品でした。
今の味の素は、サトウキビの微生物の力を合わせて作った食品。
味の素に限らず、何でもたくさん摂り過ぎると体調不良を起します。
友人の語っていたハゲの真相を調査することは出来ませんでしたが、食べても問題ないと私は思いました。