あなたは普段、トイレで手を洗った後のタオルはなにを使用していますか?
使用するタオルによって、ウイルスの感染リスクに大きく違いがあるようです。
今回は、トイレ空間のウイルスに着目した観点でタオルを見ていきます。
直感的に、使い捨てペーパータオルが清潔だってことは判ると思いますが、驚くべき結果として清潔に見える「ジェット式ドライヤー」が最もトイレ空間のウィルスに対して危険性が高いことがわかりました。
まずは順番に、いろんなタイプのタオルを見ていきましょう。
備え付けの布タオル
備え付けの布タオルは、個人経営のお店でよく見かけます。
直感的に、これはやばいって思います。
このタオルは、誰が、どのくらい使ったのか不明で、とても清潔とは言えません。
たまに濡れている状態のタオルを見かけますが、これではウイルスの生存期間が延びてしまいます。
そうなればウイルスの残存リスクが非常に高い状態だといえます。
備え付けの布タオルの場合、ウイルスを空間に撒き散らすことはないので、この布タオルを使用しなければ問題ないでしょう。
巻き取り式のタオル
巻き取り式のタオルは、最近見かけなくなり、画像も入手できませんでしたので、おなじみのペイントで書きました。
でもこれ、海外では大活躍しています。
出ている部分のタオルの長さが調整できるのですが、おもいっきり出しすぎな状態がたまにあり、すごく嫌でした。
これも、巻き取り部分の中に乾燥機能がないので、ウイルスが増殖する構造になっています。
長さに、ある程度の制約があるため、一周回ってきている可能性があります。
ウイルスを空間に撒き散らすことはないので、巻き取り式のタオルを使用しなければ問題ないでしょう。
ポケットに入れてるタオル
さっきから「タオルを使用しなければ問題ないでしょう」なんて言っていますが、じゃぁどうすればいいのかって思いますよね。
マイタオルを持参している場合はどうなるのでしょうか。
その時の保管場所はポケットの中。
自分しか使っていないから安心してしまうのですが、実はこれも安心できません。
濡れた状態でポケットに入れているとウイルスが増殖します。
私は、机の上にハンドタオル用の小さな干す台を置いていますが、それでも外気にたくさん触れるのであまりよくありません。
ただ、今回の着目している空間のウイルスの状態に対しては大きな問題がありません。
マイタオルは、絶対に人に貸したりしないようにしてほしいです。
ジェット式の送風タオルなど
手を入れるだけで風が出てきて乾燥させてくれるタイプの「温風ドライヤー」。
他には、強い風で一気に手に残った水分を吹き飛ばす「ジェット式ドライヤー」もあります。
温風ドライヤーは、ペーパータオルと比べて27倍も多く、空気中にウイルスを飛散させる実証データがあります。
温風ドライヤーの見る目が変わりそうですが、もっとすごいデータがあります。
アメリカの応用微生物学会の研究で、ジェット式ドライヤーから同じ距離に設置したプレートに付着したウイルスの数を比較検証した実験があります。
その結果、ジェット式ドライヤーは、一般的な温風ドライヤーの60倍、ペーパータオルの1300倍も多くウイルスが付着していた実験結果があります。
と言うことは、ジェット式ドライヤーが設置している施設のトイレは、風邪などのウイルスがトイレの空間中にまんべんなく、ばら撒かれているということになります。
飲食店などのトイレに、この「ジェット式ドライヤー」があった場合、トイレを出た後はうがいをするか、水を飲むべきでしょう。
参考記事:絶対にインフルエンザにならない方法
ペーパータオル
使い捨てのペーパータオルであれば、タオルにウイルスが付いている心配もないし、ウイルスを空気中に拡散させる心配もありません。
つまり、いろんなタイプのタオルがありますが、使い捨てのペーパータオルが一番良いってことになります。
トイレで手洗いしたあとは、ドライヤーよりペーパータオルによる乾燥が推奨されることが、乾燥時間、乾燥度、微生物の除去、汚染予防の観点から、多くの研究で示されています。
環境負荷を考えて、1~2枚できれいに拭き取るように使用するといいでしょう。
手を拭かない
もはや、タオルを使用しない自然乾燥派です。
これ、意外にたくさん見かけますが、濡れたままの手にはウイルスがたくさん付着するので、乾燥した手に比べて100~1000倍のウイルスを運ぶと言われています。
せめて、ポケットティッシュを使って拭くほうが良さそうです。
さいごに
ペーパータオルが常設されたトイレを把握しておくと、風邪などの病気リスクを抑えることができます。
あなたが施設の所有者なら、設置するタオルを考えたほうがいいかもしれません、それは、お客さんや従業員の病気リスクが高くなるからです。
工場など、強力な換気設備があったり、ほぼ外にトイレがある場合は、そんなに気にする必要はないかもしれません。
あなたのよく利用するお店や施設には、どんなタオルが設置していますか?
大切な人と出向く施設のタオルは必ずチェックしたほうがいいでしょう。