3次元CADが主流の時代
アイソメ図の書き方を知らなくてもCADが自動作成してくれるので、このスキルは要らないと思っている機械設計者も多いと思います。
しかし、こんな時代になっても紙の図面がなくなることはありません。
いくら、3次元CADで設計したところでやはり正となるのは紙の図面。
モノづくりを実際に行う方が見るのも紙の図面。
3次元CADは高価
3次元CADは安くても70万円で、ハイエンドクラスになると350万円ほどと高価。
おまけに、更新やメンテナンス費用を含めると、膨大な支出になります。
2次元CADは安価
それに引き替え、2次元CADですと、0円から50万円ほどで買えますし、メンテナンス費用はほとんど要りません。
設計するモノによっては、3次元なんてまったく必要ないモノもあります。
3次元にもデメリットが
3次元は工数が余分にいるといったデメリットもあります。
こういった背景から3次元CADを導入していない企業は今でもたくさんあります。
学生の皆さんは、3次元CADを習得しているかもしれませんが、場合によってはまったく役にたたないスキルになる可能性があります。
3次元CADは非常に楽ですが、頭が退化しますので要注意。
たとえば、2次元CADのみの設計だと、アイソメ図や斜視図は自力作成となります。
また、人に説明するときには、三角法で描かず、立体に書いてあげるほうが理解しやすいメリットがあるのでアイソメ図のスキルは必須。
アイソメ図は一見、難しそうですがコツさえ掴んでしまえば結構簡単。
また、アイソメ図が描けるようになると確実にスキルアップしたことを実感できることでしょう。
前置きが長くなって申し訳ありませんでした、それでは手順を紹介します。
手順1
簡単な箱形状。
1. これは、正面図と側面図と平面図が描かれているアイソメ図の元図面です。
この3面図からアイソメ図を作っていきます。
2. 正面図は左側に30°傾け、平面図と側面図は反対の右側に30°傾けます。
3. 2.で図形を傾けた際に寸法が変化しますので、補正します。
4. 正面図と平面図を330°(-30°)傾けます。
側面図は30°(反対側なので注意)傾けます。
5. 正面図に、平面図と側面図を結合させれば出来上がりです。
手順1のおさらい
1. これは、正面図と側面図と平面図が描かれているアイソメ図の元図面です。
この3面図からアイソメ図を作っていきます。
2. 正面図は左側に30°傾け、平面図と側面図は反対の右側に30°傾けます。
3. 2.で図形を傾けた際に寸法が変化しますので、補正します。
4. 正面図と平面図を330°(-30°)傾けます。
側面図は30°(反対側なので注意)傾けます。
5. 正面図に、平面図と側面図を結合させれば出来上がりです。
【手順2】 曲面のある図形
ANGLEと呼ばれる鋼材
1. これは、正面図と側面図と平面図が描かれているアイソメ図の元図面です。
この3面図からアイソメ図を作っていきます。
2. 正面図は左側に30°傾け、平面図と側面図は反対の右側に30°傾けます。
3. 2.で図形を傾けた際に寸法が変化しますので、補正します。
4.側面図と平面図の形が変化しますので、使える線だけ残して他は削除します。
5. 正面図と平面図を330°(-30°)傾けます。
側面図は30°(反対側なので注意)傾けます。
6. 正面図に平面図と側面図を結合させます。
7. 正面図を平面(側面)図の端点までスライドコピーします。
8. Rエンドを細線で結びます。
通常の線よりも細い線にしてください。
9. 見えない線を削除すれば出来上がりです。
【手順2のおさらい】曲面のある図形
【手順1】と3.まではまったく同じです。
4.側面図と平面図の形が変化しますので、使える線だけ残して他は削除します。
5. 正面図と平面図を330°(-30°)傾けます。
側面図は30°(反対側なので注意)傾けます。
6. 正面図に平面図と側面図を結合させます。
7. 正面図を平面(側面)図の端点までスライドコピーします。
8. Rエンドを細線で結びます。
通常の線よりも細い線にしてください。
9. 見えない線を削除すれば出来上がりです。
基本は以上です。
これを応用すればおおよその図形を書くことが出来ますので、頑張ってみてください。
関連記事:配管図面からアイソメ図の書き方