方法、手法

板が割れない釘の打ち方


コースレッド

最近は、大工でも釘を使うことが非常に少なくなりました。
釘に代わって、コースレッドを使うことが多くなってきたからです。
コースレッドは、打つときに曲げてしまうこともありませんし、失敗しても簡単に抜けます。
さらに、コースレッドは接合力が釘の約4倍もあるようです。

釘を使う理由

それでも釘がなくなることはありません。
その理由は、やっぱり強度は釘の方が高いからなんです。
釘は軟鉄なので、せん断(横)方向に力が加わった時、曲がります。
曲がってでも、粘り強く接合を保ちますが、コースレッドの場合、同じような状況では折れてしまいます。
この曲がる特性があるために、釘を打つ技術力の高さが必要だったわけですね。
でも、今では釘打ち機というものがあって、金づちで打つよりも10倍以上の速さで釘を打つことができるようになっております。

割れない釘の打ち方

釘の工夫

硬い板に釘を打つと、高確率で割れます。
これ、当たり前なんですよね。
その理由は釘の先端が尖っているからです!?
先端が尖っているので、板に釘を打つ時、板の横方向に引き裂く力が働きます。

このまま進めば割れる確率はかなり高くなります。
なので、釘の先端をペンチなどでカットします。

すると、釘を打つ時には垂直方向(真っ直ぐ下)に力が加わるように変化します。

釘を打つ場所

板は、節目の粗くなっている部分(赤い星部)が一番割れやすく、節目の細かい部分(青い星部)が割れにくいんです。

節目の外になるほど、割れにくくなります。
例えば、釘を3本打ちたいと思った場合、黒丸部分あたりで打ちたくなると思いますが、この場合は真ん中は打たずに2本でやめるべきなんです。

さいごに

何百年も昔に建てられた木造建築物には、ほとんど釘が使われていませんが、ゼロではありません。
その時に使用されていた釘は、今のように綺麗に成形されている釘ではなく波打っていたりします。
これが、経年と共に気に馴染んでいき、すごく抜けにくく強度の高い結合を確保しているわけです。
私も便利なのでコースレッドをよく使用しますが、本当に大切な部分には釘を使うように考えています。
板は、本当に簡単に割れてしまうので、コースレッドを使用する場合でも、板の節目を意識してください。


follow us in feedly

ブログ記事を応援してくれる方はポチッっと下のボタンを押してね

そして、この記事をツイッター投稿してくれるなら下のボタンを押してね

寂しいと感じる理由前のページ

車検の有効期限を過ぎた車の車検について次のページ

関連記事

  1. 方法、手法

    三相交流が理解できる話

    工場にある、様々な回転機器に使われている三相モータを動かすには、三相交…

  2. 方法、手法

    エアコンの冷房効率のポイントは室外機

    エアコンの冷房システムは、室内機で吸収した室内の熱を、室外機が吸い込ん…

  3. 方法、手法

    スマホで通話中に画面が暗くなって、なにも操作が出来なくなる!

    原因は近接センサースマホの画面側には、「近接センサー」と呼ばれるセンサ…

  4. 方法、手法

    教科書にはない設計ノウハウ 板金設計のねじ穴編

    今回の記事は、板金設計における穴やねじなどの加工についての設計ノウハウ…

  5. 方法、手法

    買取屋が危険な理由

    フットインザドア一歩でも玄関に足を踏み入れたら契約まで勝ち取れるそんな…

  6. 方法、手法

    車のオイル交換は上抜きと下抜きではどちらが良いのか?

    上抜きと下抜きでは、それぞれにメリットとデメリットがありましたね。総合…

役に立つ記事

気になる記事

笑える記事

PAGE TOP