創業100年の老舗とか言っちゃって、創業当時から継ぎ足ししている秘伝のタレが美味しさの秘密ってタレは知ってますよね?
このタレ、衛生的に怪しいと誰も思わないのか?
ちなみに私は不安しかありませんでした。
なんせ100年も前から使い続けているタレなんて…
結論から言うと、タレは腐っていなくて安全でした。
この記事では「継ぎ足しのタレは安全なのか」「なぜ腐らないのか」
諸説ある中から有力だと思える説をベースに記事を書いています。
壺のタレ全部抜く実験
60年間継ぎ足し続けた老舗の焼き鳥屋さんで、創業以来継ぎ足してきた秘伝のタレを、タレ壺から全部ポンプで抜き出して、壺の中に何が残るのかを調べると言う「池の水ぜんぶ抜く」ならぬ「壺のタレぜんぶ抜く」内容の実験が行われました。
タレをぜんぶ抜いたところ、底の部分にはタレで使う味噌が分離したものが少しだけ沈殿して残っていたらしく、若干だけ肉のかけらも4つほど入っていたそうです…
何か出てきて欲しかったでしょうけど、ここで異物が出てきたらマジで引くでしょ(笑)
この実験結果から、秘伝のタレはお店の人が大切に使用してきたと証明されるほど綺麗な状態で保存されていたということになります。
継ぎ足しのタレは腐らない
低温殺菌されている
焼き鳥やウナギ屋さんでは、一旦ジュージュー焼いた熱々の鶏肉やウナギを熱いままタレに浸けていますよね?
この熱々に焼いた肉や魚をタレに浸すことによって、継ぎ足しのタレはその都度低温殺菌されているようでした。
そのおかげで、菌の繁殖を防ぐことができると考えられています。
名店ほどタレが腐らない
そう言われるらしく、お客さんが沢山来ることで、何度もタレに浸す機会があるからなのでしょう。
ちなみに低温殺菌というのは、60~70℃位で殺菌することをいいます。
だったら、秘伝のタレを直接火にかけて煮立たせた方が、効率よく殺菌できそうって思いますよね?
実は定期的にタレを加熱して殺菌する店もあるようが、タレが高温になると煮詰まってしまったり、たんぱく質が変質して味が変化することもあるため、あまりこの方法を採用している店は少ないようです。
味を変えないために牛乳でも低温殺菌を採用しているわけです。
塩分や糖分が多い
秘伝のタレには、塩分や糖分がしっかりと含まれています。
食品に含まれる水分には「自由水」と「結合水」の2種類があります。
細菌が繁殖できるのが自由水で、結合水では細菌は繁殖できないという違いがあります。
秘伝のタレに含まれる塩分や糖分は、水と結合して結合水となるため、通常の液体に比べたら、継ぎ足しのタレは細菌が繁殖しづらい環境になっています。
ちなみにハチミツが腐らないのは、糖分がすごく多く含まれているからなんです。
ハチミツ以外にも、ジャムや梅干など、砂糖や塩の濃度を高めて食品の保存期間を長くする工夫がされています。
ただ、継ぎ足しのタレはここまで塩分や糖分は多くないため、これだけの要素では数日で腐ってしまいます。
細菌が繁殖しづらくなる目安は、塩分10%以上、糖分65%以上です。
一般的なウナギのタレは、塩分8%、糖分25%程度らしい。
低温殺菌と結合水の2つの効果で腐らないようになっています。
中身が入れ替わる
秘伝のタレは、使うたびにタレは減っていくから、新しいタレをどんどん継ぎ足していきます。
大昔のタレが昔のまま残っていることはなく、どんどん入れ替わっていると考えるのが自然です。
一般的には、1月程度で新しいタレに変わっていると言われています。
なぜ継ぎ足すのか
1月程度で新しいタレと入れ替わっているなら、効率化を図って初めから作ればいいと思うかもしれませんが、面倒な思いをして手間をかけながらも継ぎ足していくことには、いくつかの意味がありました。
同じ味を提供できる
継ぎ足して使うことによって、今も昔も変わらない味を食べてもらうことができます。
旨味が凝縮される
鶏肉やウナギを漬け込むことで、素材の旨味がタレの中にも出てくるからです。
老舗であるとPR出来る
創業当時から継ぎ足しで使っている秘伝のタレだと言われたら、それだけで食べてみたくなります。
実際に、このようなお店にハズレが少ないです。
さいごに
秘伝のタレは、創業当時から伝わる秘伝のレシピで作り続けられています。
塩分と糖分の割合から見ても、ただ放置していると秘伝のタレは、そのままでは腐ります。
繁盛店で沢山のお客さんが来ていて初めて継ぎ足しのタレを使い続けることができているということは、それだけで繁盛店の証明になります。
つまり、タレの管理が十分できていることを意味していたんです。
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