考え方

家族が末期癌になったときの話 3


前回の記事:家族が末期癌になったときの話 2
次の抗がん剤を投与するまで少し猶予があります。
前回の記事で、「クオリティ・オブ・ライフ」のことに触れたこともあり、Twitterでもたくさん質問が届いていましたので、今回はこれをテーマに書いてみます。
「クオリティ・オブ・ライフ」とは、生活の質とお考え下さい。
以降は「クオリティ・オブ・ライフ」を「QOL」と記載します。

医学は病気しか見ない

病気になれば病院に行きますが、病院に行けば、たくさんの病気が治る時代になりました。
まさに医学の進歩は日進月歩。
たしかに病院に行けば、病気が治るのですが、それで患者は幸せになれるのか?
医者の仕事は病気を治すことですが、患者は病気が治った後の後遺症が大きな影響を受けたりします。
医学は病気しか見ませんが、医療は人までちゃんと見ることと定義されていると信じているのですが…

QOLの低下事例

最近知ったある女性の癌治療で、QOLが低下した事例があったので紹介します。
喉に癌が見つかり、ステージ2との診断が出ました。
手術をして喉の癌を取り除いたのですが、口の半分から下の肉を切除したため、口から食事をすることが出来なくなりました。
さらに、顔の大部分が欠落したこともあり、容姿にも大きな影響を与えました。
まさに「衣・食・住」の「衣・食」が失われたことを意味しています。
女性だったこともあり、このQOLの低下によるショックは計り知れないと想像しています。
さらに、この治療の末、延命できたのは、わずか2年間。
その2年間は、人に顔を見られないように身を隠し、胃に小さな穴を開けて管を通し、そこから点滴のように食事(栄養)をゆっくりと入れて生活していました。
こころある主治医なら、このような未来が想定できていれば、この手術をためらったかもしれません。
それは、非常に良い言い方で、患者のQOLなんて興味のない医師も実際には存在するのかもしれません。
これは想像ですが、実は癌について医者には、まだまだわからない部分が多くて、やってみないとわからないことがたくさんあるような気がしています。
実際、私たちの場合でも「こればっかりは、やってみないと…」なんて言葉を何度も聞いています。
繰り返しになりますが、だからこそ、医者の言いなりになってはいけないと思っています。

QOLの評価

衣食住の観点で見た時、外観の障害、食の喜びや味覚障害、運動機能や排泄の障害がどれほど影響するのかをよく考えないといけません。
提案された治療方法が、どれほどのQOLの低下に繋がるのかのリスクを何度も何度も確認する必要があります。
最近では、「インフォームド・コンセント」も広く普及しているので、遠慮なく説明を求めることが重要。
先ほど紹介した事例でも、容姿にそこまでの変化があることまでは説明されてなかったらしく、その手術は回避することもできたので残念でしかたがありません。
私も過去に扁桃腺の摘出手術をしましたが、手術が終わった後、口が大きく裂けていました。
なんとか治りましたが、今から思えば医療ミスのようにも思えます。
クルマで例えるなら、オイル交換をお願いしたら、ボディーに傷が付いて戻ってきたようなもんです。(゚д゚lll)
考えると、病院ではなんでも許されるような気がして、ちょっと怖いですね。

緩和ケア(緩和医療)

今回のケースは、癌のステージ4なので、「緩和ケア」という選択もあります。
緩和ケアというのも医療行為で、緩和医療ともいいます。
治療や検査を一切やめて、痛み止めや栄養剤の点滴だけを行い、患者とその家族の肉体的・精神的苦痛を和らげ、生活の質(QOL)を維持することを目的として治療するもの。
食べる物も、比較的自由(生物は禁止になることも)で、お酒とかも飲んでもよく、少しでも余生を楽しく過ごせるようにすることができます。
身体に異常があったり、熱が出たりした時には主治医が来てくれますが、通常はあまり来ることがなくなります。
ですから、毎日の定期巡回がないのが普通となります。
その代わり、緩和ケア専門の看護師が対応してくれるので、何かあった時の対応は、普通病棟の看護師より上手に対応してくれ、不安などを取り除いてくれるスキルが高いと言われています。
関連記事:家族が末期癌になったときの話 1
関連記事:家族が末期癌になったときの話 4


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